表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

事件発生

12月24日…

そう、クリスマスイブだ。


僕はこの日にアクションを起こす。

副総務として…

そして、何度も何度も携帯を取られて苦しい思いをした1人として…

僕は絶対にあいつを許さない。



事件が発生したのは20日の昼休み。

ちょうどクラスマッチがあり、いつもより長めの昼休みだった。

僕の通う某高校は学校への携帯の持ち込みはもちろんアウトだ。

でも、彼-斉藤翔さいとうかける-は普通に窓際で悠々とスマホで、ラブライブ!スクールアイドルフェスティバルをプレイしている。

実は彼は重度な課金厨で、ランク40にしてランク80超えの僕と同じくらいのイベント順位だった。


それはさておき、本校では度重なる盗難のせいで昼休みの先生方の巡視が厳しくなっていた。

翔が教室に帰ってくる前にも2回先生が巡視していた。

僕は携帯を3度取られて、自称ベテランだ。

もちろん、昨年のこの時期にも取られている。

ま、僕の場合はWi-Fiさえあれば生きていける。

しかし、冬休みやインフルエンザを挟んだせいで1ヶ月の没収はキツかった…


翔は正直言うとクラスのやつからは好かれていない。

お陰で、何人かがワザとドアをいきなり開けてみたり、翔の凭れ掛かっている窓を叩くなどして驚かしていた。

そして、副総務である僕は何度も先生が巡視しているから気をつけてと注意を促した。

しかし、翔は聞く耳を持たない。

正直、僕はそいつの態度に腹が立っていた。



刹那、廊下から声が聞こえた。

そこに立っていたのは、副担の神園協かみぞのつとむ

「おいおい斉藤。俺は言ったよな先生たちが見まわるって!!」

協はでかい声で翔を怒る。

クラスの奴らは大笑い。

そりゃそうだ。

嫌われてるわけだし。

僕も爆笑。

翔は足元に置いてあった自分のカバンに一度携帯を隠した。

「早く渡せって。」

協がそう言うと翔は渋々出した。

クラスからは歓声が上がり、翔は顔を真赤にした。

協は隣のクラスから携帯を回収していた。

大収穫のようだ。



数分後、携帯の乱獲を終えた協と一緒に翔が職員室に向かった。

野次馬と化した僕たちはもちろんついていく。

「先生~電源切んないと~」

職員室前に着いた時、友達が先生に言った。

すると先生がポケットから翔の携帯を取り出す。


刹那、僕の頭のなかに嫌なシナリオが流れた。

協が取り出したのはGalaxyS…

でも、翔のはXperiaZ…


僕は一心不乱に駆け出し教室へ帰る。

そして、翔のカバンを漁る。

予想通りあった。



翔愛用のXperiaZが…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ