手紙
ハクシャクンにだけ働かせている後ろめたさに耐え切れず、俺は屋敷の外に依頼箱を設置してみた。
一応俺達も奪う者だから魔物に困っている人とか、リルみたいに修行希望の人とかの依頼を受け付ける依頼箱。
設置してから数日、彼方此方で宣伝しているし、町に来た旅人とか奪う者に噂を広めてくれるように頼んでみたりしてるんだけど、手紙はまだ1枚も来ていない。
「まだ始めたばっかりだし、しょうがない、しょうがない」
隣では暇そうに寝転んでいるゾンビンがいる。
フラケシュンは屋敷の留守をハクシャクンから直々に頼まれているから、昼間の間は屋敷内の見回りとかで忙しそうにしていて、ミイランはいつの間にか用心棒の仕事を始めて仕入れなどに向かう商人の護衛をしていて、オチムシャンは屋敷にいるコウモリ達の手伝いで料理したり、買い物に行ったり…で、俺達は特になにもしてなかったから依頼箱を作ったと言う訳。
まだ1回も依頼はないんだけどね。
やっぱり最初は自分達から動かなきゃ駄目なのかな?だったらここは少し位強引に動いて、その実績を宣伝にしよう!
ゾンビンと2人でやって来たBAR。まずはマスターになにか手伝える事はないかを尋ねてみたんだけど、特にないと即答されてしまった。
「じゃあ俺は宿屋の方を当たってみるよ」
「じゃ~俺はこのままBARに来る奪う者に声かけてく」
宿屋に行き、早速手伝える事は無いかと尋ねてみると、さっきチェックアウトしたお客さんの忘れ物を届けて欲しい、とか言うただただ普通のお使いを頼まれた。
それでもなにもないよりは良いから忘れ物、と言う物凄い汗臭い服を受け取って町を出てみる。話によると港に向かうとか言ってたらしいから、樹海のある北でも砂漠地帯の広がる南でも、城のある東でもなくて西…かな。
船が出る前に見付けないと大変だし、急ごう。
港町に着くちょっと手前で前方に旅人が見えてきたので、宿屋の人から聞いた名前を叫んでみると振り返ってきた。どうやらあの人が忘れ物の主みたいだ。
こうして汗臭い服を持ち主に手渡し、受け取りサインを貰って報告に宿に戻ると、お疲れさまと10G渡された。
初めて自分で稼いだお金…ゾンビンになにか買って行こうっと♪10Gだからそんな豪華なものは買えないけど、そうだな~…痒み止めとか目薬なら喜んでくれるかな?よ~し、早速薬局に行こう!
「・・・」
駄目だ、10Gじゃ全然足りないや…。
何も買えずにBARに戻ってみると、そこではゾンビンが1人の旅人と会話中。
行って良いのかな?と思う間もなく手招きされて行ってみると、どうやら依頼の話だったみたいで後から来た俺にも依頼者は内容を説明してくれた。
依頼者の名前はアンと言う女の人で、ペットのタマ(♀)のお相手を探していたらしい。で、良い相手が見付かったみたいなんだけど、どうやらそのお相手が少々暴れているらしく手に負えなくなったんだって。そこで依頼の内容は「暴れているお相手をちょっとだけ懲らしめて大人しくさせて欲しい」と。
タマって名前だし、猫かな?それとも犬かも…暴れているって事だからもしかしたら相手は狼とかだったり?まぁ、普通にペットとして飼われているタマの相手、って言うんだから猛獣とかではないよね。
「良いよ。案内して」
と、軽く引き受けた俺達を連れてアンさんは町から離れ、草原を只管進んで行き、奥に広がる岩場で足を止めた。
「タマ~、ただいま~~~」
アンさんが声をかけると、岩場から1匹の蛇…をデカクして、羽を生やした…って!これ、ドラゴン?!え?ちょ…ドラゴン?!じゃあ暴れてるお相手って、もしかして……。
「あそこにいるのがタマの旦那さん候補なの~」
指差された方向には紛れもなく1匹のドラゴンが鎮座していた…まだ若くてそこまで巨大な事にはなってないものの、それでも俺の2倍は余裕であるブラックドラゴンときたもんだぁ~。
ちょっと懲らしめて大人しくして欲しいって依頼だけど、あんなのに喧嘩売ったら懲らしめられるのは俺達の方だ!でも依頼受けちゃったんだからなんとかしないと…それに、怒ってるドラゴン放置したら町にも被害が出るかも知れない。
よし、ドラゴンと言っても魔物の一種なんだから話しだって出来る筈…そうだよ、タマはこんなにアンさんに懐いてるんだし、言葉は通じるんだ!多分…。
「ガ、ガイコツン?!危ないよぉ」
怯えているゾンビンは腰が抜けてしまったらしい、出て行こうとした俺に向かって這って来ると腕を掴んできた。
「大丈夫、俺は痛覚とかないし多少攻撃されたってなんともないよ」
多分ね、とは声に出さずに心で呟き、出来るだけゆっくりとゾンビンの手を引き剥がす。
打撃やらで昇天するんなら、エンゼルンが聖水飲め~とは言って来ない筈。だから、本当に大丈夫なんだろうケド…炎攻撃で燃え尽きるって事…ないよね?
えぇ~~~い!怖がってちゃ何も解決しない!よし、行くぞ!
「え、えっと…こんにちは~…」
恐る恐る近付いて声をかけてみると、ブラックドラゴンの目がこっちを向いて一声。
「シャ~~~…シャ~…」
あ、あれ?
ドラゴンと言ったらさ、もっとこぅ…ギャォ~~~ッスみたいなもの凄い鳴き声なんだけど、シャ~って…まるで蛇。
もしかして、まさか…弱ってる?でも、暴れて手に負えないからって依頼内容だし…暴れ疲れちゃったとか?
「ガイコツン大変だっ!見て、ホラ顎の所っ!!」
右目を伸ばしているゾンビンは、俺からでは見えない角度からブラックドラゴンを見ていて、そこで何か大変なモノを見たらしく、指差しながら忙しなく俺の腕を叩いている。
大変なのは分かったから、具体的にどう大変なのかを教えてくれるとありがたいんだけどな…。
「ピヨ、出てきて」
こうして友達の中で空を飛べるピヨを呼び出し、抱え上げてもらいながらブラックドラゴンの顎の確認に向かった。
「あぁ…これは、確かに大変だ」
耳元でそんなのんきなピヨの声が聞こえたんだけど、確かに大変だ~じゃないよ!木の枝?かなにかが刺さってるよ!
痛かったから暴れてたんだ~…それで今大人しいって事は衰弱して?!い、医者を…いやいや、ドラゴンを診てくれる医者なんて何処にいるんだよ。魔物の島まで…行ってる余裕なんかないって!
「ちょっと、動かないで…見せてね」
傷口に近付いてよく見て見ると、以外に出血は少なく、枝も思ったより深くは刺さってないようだった。これなら抜いても大丈夫かな?角度からして口の中に貫通って事はなさそうだし…でも、念のために止血用のガーゼか何かを用意した方が良いよね。
アンさんが持っていた消毒液とタオルを持ち、ブラックドラゴンに近付くと、ブラックドラゴンは首を下げて枝が抜きやすいような格好をしてくれた。
「大丈夫、スグに痛くなくなるからね」
ゾンビンはそう言いながらゆっくりと頭を撫ぜ、その横ではタマが「大丈夫」とでも声をかけるように鳴いている。
では、いきます。
「とぉりゃぁあぁぁぁ~~~」
出来るだけ一気に引き抜こうと思いっきり引いたんだけど、思いの他枝は浅く刺さっていて、勢いで思いっきり後ろにスッこけてしまった。
アフロのカツラまでスッ飛び、取り敢えず被り直してからブラックドラゴンの傷の具合を見ようと思ったんだけど、なんだろう…大丈夫っぽい。
まるで背伸びをするみたいに羽を伸ばしたブラックドラゴンは、違和感のなくなった首をグルグルと回して一声、
「シャァ~!」
あ、あぁ…シャ~と言う蛇みたいな鳴き声は元々だったんだね。
「念のために傷口見せて~」
出血してたら止血しなきゃ駄目だし、一応消毒もしたかったんだけど、ブラックドラゴンはソッポ向いて傷口を見せてくれようとしない。だからもう1回ピヨに担ぎ上げてもらって近付いてみたんだけど、今度はフワッと飛んで離れて行ってしまった。
ドラゴンの回復力は物凄く高いし、バイ菌とかの耐性も多分高い。だから大丈夫なんだろうけどさ、枝を抜いた者としてはやっぱり気になると言いますか…。
「ねね、それ以上続けたら怒っちゃうよ?」
怒られる?
どう言う事なのかをアンさんに聞いてみると、ドラゴンの首には逆鱗って言う弱点があるんだって。枝はそこに刺さってたか、その近くに刺さってたから暴れてたんだろうと解説をしてくれた。枝を抜く為とは言え、その弱点に近付けた事は奇跡に近いとの事。
その後、タマのお見合いを早く済ませたいからと言われ、報酬を貰った俺達は町に向かって移動を開始させたんだけど、町に着く前に1人のご婦人によって呼び止められていた。
見る限り旅人でも、奪う者でもないそのご婦人は、用心棒を連れて何処かに行く途中だったようだ。
「ガイコツン、と言う蘇った奪う者がいると聞いたのだけれど、貴方よね?」
おぉぅ?
「俺に、何か??」
何か仕出かしたっけ?でも、ここの所はズット屋敷内で大人しくしてたし、特に何もしてないよな、じゃあなに?時間差でなにか問題が?!
「依頼を引き受けてくれると聞いて、手紙を届ける最中だったのよ」
おぉぅ?!
手紙の内容は、ある町の、ある一軒家を解体したいらしいんだけど、どうやらその家の中に何かが住み着いているらしい。既に奪う者数人に調査を依頼したらしいんだけど、特に何もなかったんだって。でも夜な夜な物音がするとか…で、俺達に住み込みで調査して音の正体を掴み、それが魔物だった場合の駆除を頼みたい。との事。
この依頼を受けるにあたっての問題点は2つ。
ハクシャクンに外泊になる説明しなきゃならない事と…この町と言うのがゾンビン出身の町って事。
確か魔物は見ただけで攻撃だ~と言う激しい人達が住んでるんだよね?そんな所へガイコツの俺が行って良いの?ゾンビンはもう既に追われ済みなんだけど…。いや、でも最初にガイコツンと言う蘇った奪う者~とか言ってたし、一応奪う者との認知はされてるのかな?
「出来るだけ早くして欲しいのだけれど」
ご婦人がそう言って急かして来たので、俺はハクシャクンへの説明を魔石から出たまま飛んでいたピヨに任せ、そのままゾンビン出身の町に向かって出発した。
それから2日、遠くに町が見えて来ると、ご婦人は急に立ち止まって俺達にここで待っているようにと言って町に向かって1人で戻って行き、10分位して走って戻って来ると大きなマスクと帽子を手渡してきた。
「顔は隠しておいた方が良いでしょ?」
それ、魔物との区別するため?だったら俺には着ぐるみレベルの物が必要なんだけど、顔だけって事は…多分ゾンビンだ。ここ出身だし知り合いがいても厄介…なのかな?まぁ、1回追われてる訳で…あれ?ここ出身なんだよね?で、結構スグに蘇ってるから回りは知り合いばっかりだったんじゃないの?なのにどうして追われて…?
「目が飛び出さないように眼帯しとかないと」
いや、ゾンビン…そう言う問題じゃなくてね?まぁ…良いけどさ。
こうして町に入り、路地裏を進んで案内された一軒家。誰も手入れしなかったプランターの中には雑草しか育ってなくて、窓ガラスも結構粉々に割れてて、外壁には…きっとこの家の主が生きている頃に書かれたんだろう“死ね”だの“疫病神”だのとペンキでさ…。
これ、ゾンビン本人に確認しても良いのかな?この中で蘇ったんだよね?なんて…。
家の中に入ってみると、窓ガラスが粉々だった理由が床に落ちていた。石だ、石を投げられたんだ。
「それじゃあ、頼んだわよ」
ご婦人がドアを閉めて去り、魔物が隠れていると思われる家の中を見て回ると、嫌でもこの家の主がどんな生活をしてたのかってのも見えてくる。
ここの主は外出が多くてあまり家にはいなかったんだろう、暖炉には灰があまりない。そして行った先々で色んな物を拾ったり、買ったりしたんだろうな、家の至る所にはガラクタのような置物が置かれている。きっとスタイリッシュだとか自分で言いながらさ、置いたんだよな?
ハクシャクンの屋敷の、ゾンビンの部屋がこんな感じなんだ…。
家の中を見て回っているゾンビンは、俺に気付かれてないとでも思っているのか、ガラクタの何個かをお持ち帰る気満々で鞄にこっそり入れている。お気に入りだったんだなって思うと、なんかさ…。
「なぁ、何か気配とか感じ……なんで泣いてんの?どしたの?」
どぉ~もしないよ!
「ホコリが目に入っただけ」
「眼球ないのに?」
うっさい!
なんだよ、なんなんだよ!感傷に浸ってたのは実は全く関係ない俺だけで、当の本人はノホホンとしちゃってさ!気に入ったガラクタ回収出来たから後は用事済ませてさっさと帰ろう、みたいなさ!
「俺、2階見てくる」
早く帰りたいなら二手に分かれて捜索した方が良いと言うのに、ゾンビンは階段を上がろうとした俺の腕を掴んで足止めをした。
「あ、っと…ホラ、なんかいたら危ないしさ、一緒に行くよ」
なんかはいるから依頼があったんでしょ?俺だって無防備でドア開けて部屋に入るーなんて事はしないし、第一攻撃受けたって俺の場合多少は平気だから、寧ろ1人の方が安全というか…。
「なんかいたら呼ぶから、1階見てて」
「分かった…本当に呼べよ?」
はいはいと手を振り、階段を上がると、ドアも特にない広々とした空間が広がっていた。そこにはベッドがあって、タンスがあって、そのタンスの上にはガラクタが置かれている。寝室に置くって位なんだから生前のゾンビン1のお気に入りだったに違いない。
じゃなくて、魔物の捜索だよ!
2階の窓も割られてるから、ここから出入りをしているって可能性もあるよね…としたら空を飛ぶ魔物かな。町の中を堂々と行き来していると言うんだから小型の魔物に違いない。そもそも魔物なのだろうか?夜に物音がするって事だから夜行性のネズミとか鳥って可能性もあるよね…。
しまったな~、どんな物音かって聞くの忘れてた。
ベッドの中と下、タンスの中も見てみたけど生き物の気配はなくて、他に隠れられるような場所はないかと部屋中を回ってみても、特に何もない。
屋根裏とか?
「あ~…なるほどね」
天井板をずらして屋根裏を覗き見て納得。猫がいた。魔物でもなんでもなく至って普通の野良猫。まだ小さいから子供かな?俺に対してシャ~と威嚇はしてるけど逃げていかない所を見ると、結構衰弱してるのかな?腰を抜かしてるって事もないだろうし。
「怖くないからね~」
と、腕を伸ばして捕獲しようとして何度か引っ掛かれる。まぁ、痛くないから問題ないけど。
子猫を抱いて2階に戻り、タンスの上にあったガラクタを回収してから1階に戻ると、火も点いてない暖炉の前でゾンビンが体育座りして、ボンヤリと暖炉を見ていた。
小さく背中を丸めて座ってる後姿は、なんか物凄く寂しそうで、悲しそうで。生前もそうやって座ってたのかな?とか思うとまたこみ上げて来るものがある。
「ゾンビン、2階にはこの子しかいなかったよ~。後、これお土産」
「え?!あ…お、それカッコイイ!」
こうして夜明けが来て、昨日のご婦人がやって来た。
俺は昨日見付けた子猫をご婦人に見せ、それで報酬がもらえたんだけど、どうしても最後に聞いておきたい事があって、家の中に留まっている。そんな俺の隣にはしっかりとゾンビンもいた。
「あの…この町の人は、どうしてこの家の主を…嫌っているんですか?」
ゾンビンが蘇ったって事は知ってる筈なのに家を取り壊す理由は?ゾンビンがまだエドだった頃の嫌がらせの理由は?蘇ったゾンビンを攻撃して町から追い出した理由は?嫌われていた、そう思っても行き過ぎてる。
「…この町は1度、魔物の大襲撃に遭っているの。ここに住んでいた子の両親も、その時に亡くなられたわ…」
ご婦人は、何も覚えていないゾンビンに過去の事を教えるように話し始めた。
「その可愛そうな子を私達は育ててきたわ…奪う者になる、と言い出すまではね」
奪う者になる事がそんなに可笑しい?この町は魔物に襲われたんだよね?だったら奪う者の重要性は誰よりも知ってる筈なのに…。
「魔物を友達と呼び、人間と魔物が仲良く暮らせる世界を…そんな事を言っていたわ」
あはは、ゾンビンらしいや。
それで、どうして嫌がらせをされる事になったんだよ。仲良く暮らせるならそれに越した事はないだろ?そりゃⅠ回魔物に町を襲われたんだからそんな事言われても嫌悪感しかなかったんだろうけど…だからこそ仲良く、だよ!もう町が襲われなくなるんだよ?例えそんな事が起きてもさ、今までは対抗手段が“奪う者”だけだったでしょ?それが“心優しい魔物”という新勢力が出来るんだよ?実際ハクシャクンは魔物だ。そりゃ“奪う者”なんだけど…。
「蘇ったあの子の、この町での居場所をなくしておきたいの」
ご婦人はそう言って家から出て行くと、まだ俺達が中にいるにもかかわらず外にいた解体業者の方々に始めるようにと声をかけてそのまま去り、それによって俺達は家から出る事しか出来なくなった。
手際良く崩されていく家、見る見るうちに瓦礫になっていく家。
こうして家のあった場所は数時間と言うえげつない程のスピードで更地にされた。
「俺…家壊されたんだよな…」
ボンヤリと家のあった場所を見つめているゾンビンは、少し見上げたまま呟いた。その角度からして…きっと2階の窓辺りを見てる感じだ。
そこになにかあったのかなんて、もう確かめる術はない。
「エド、の家だよ」
あまり…良い雰囲気のなかった、生前のゾンビンの家。
「俺の本名エドなんだけど」
あ、やっとこっち向いた。
「知ってるよ。でも今はゾンビンで、ゾンビンの家はハクシャクンの屋敷だよ」
蘇ったゾンビンが、どうしてここに戻るのさ。
家を壊す前から、この町の何処にゾンビンの居場所があったのさ。
蘇った時ってさ、記憶ないし自分の体はこんなんだしで、結構キツイんだ。それこそエンゼルンが聖水持って来るのがあり難い事のように感じる程。それをだよ?いきなり魔物だ~とか言いながら攻撃するなんて酷過ぎるでしょ。そんな仕打ちを受けたゾンビンが、どうしてここに戻って来る、とか思えるんだよ、想像力豊かにも程がある!
「そう…だけど…」
だからさ、そんなに落ち込む事も、悲しむ事だって、なにもないんだ。
「そうなんだよ!だから、帰ろ?」
俺達の家に。
「うん。帰ろ」
結構遅くなっちゃったから、きっと皆心配してると思うんだ。特にハクシャクンが。それに、遅くなり過ぎるとフラケシュンの質問攻めが始まる…。
手土産の子猫がいるから怒られはしない…よね?多分…。




