第五話
ドイツ・ミュンヘン
ミーエルはベルリンからミュンヘンに移動した。ミュンヘンについたのはついさっきだった。
懐かしい街の様子、市場などをまわって見ていた。
ミーエルは自分の家に行く途中だった。だが、すれ違った人が呟くようにミーエルを呼んだのだ。
「兄さん?」と。
ミーエルは振り向いた。そこには、弟・アレンの姿があった。アレンは今にも泣きそうな顔をしていた。ミーエルはその場を立ち去るように走り出した。
「待って!」
アレンはミーエルの後を追った。だが、すぐに見失ってしまった。
「兄さん・・・・」
ミーエルは死神に戻っていた。あのまま、アレンといたらやばかっただろう。
息が荒くなっていた。
ミーエルは下唇をギュッと噛み締めた。
でも、元気に暮らしていたのだから、よかったとミーエルは思った。
深呼吸をすると、ミーエルは仕事へと向かった。
もう、アレンには会わない方がいい。絶対に・・・・
アレンはカフェで休んでいた。さっき出会ってしまった彼のことを考えていた。
「兄さんに似た人なのかな・・・・それにしても、偶然すぎるよ」
眼には涙が浮かんでいた。
泣きたい気分だった。いっそ、思いきって泣こうかと思ったが、泣けなかった。涙がたまるだけだった。アレンは一瞬、悪魔かという思いが、脳裏をよぎった。
「誰かが兄さんを造ったのかな・・・・・」
禁忌を犯した兄弟を、神はお許しくださるだろうか?
兄には罰を、弟には生を。
そんなこと、神はお許しくださるだろうか?
ええ、ええ。
神はそんなことお許しにはなりません
そう
そんなことはないのですから・・・・・・
いうことが・・・・・・
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