39/43
39 王国暦377年3の月1の週 2 リリーへ
リリーへ。
この手紙をリリーが読んでいるということは、俺はちゃんと帰れなかったんだな。
勇者になった時から万が一の覚悟はしてた。でも、必ず生きて帰ると決めてた。必ず、リリーの元へ帰るって。
約束を守れなくてごめん、リリー。
でもたとえ相打ちになっても、魔王だけは絶対に倒す。
きっと今リリーが生きているその世界は、魔王の脅威がなくなって平和になっているはずだ。そうじゃないと俺は俺を許せない。
村に帰ってリリーとずっと一緒に生きていきたかったけど、今の俺にはこれが精一杯だったみたいだ。ごめん。
どうかリリーは平和になった世界でこれから先の未来を幸せに生きて欲しい。約束を破った男のことなんてさっさと忘れちまえ。
だけど最後に。いなくなる俺が伝えるべき言葉ではないと分かってるけど、リリー、ずっと好きだった。多分これからも、ずっと。
ククより。




