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拝啓、勇者さま ~勇者と幼馴染の手紙の記録~  作者: 文月 ふな


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39 王国暦377年3の月1の週 2 リリーへ

 リリーへ。


 この手紙をリリーが読んでいるということは、俺はちゃんと帰れなかったんだな。

 勇者になった時から万が一の覚悟はしてた。でも、必ず生きて帰ると決めてた。必ず、リリーの元へ帰るって。


 約束を守れなくてごめん、リリー。


 でもたとえ相打ちになっても、魔王だけは絶対に倒す。

 きっと今リリーが生きているその世界は、魔王の脅威がなくなって平和になっているはずだ。そうじゃないと俺は俺を許せない。


 村に帰ってリリーとずっと一緒に生きていきたかったけど、今の俺にはこれが精一杯だったみたいだ。ごめん。


 どうかリリーは平和になった世界でこれから先の未来を幸せに生きて欲しい。約束を破った男のことなんてさっさと忘れちまえ。



 だけど最後に。いなくなる俺が伝えるべき言葉ではないと分かってるけど、リリー、ずっと好きだった。多分これからも、ずっと。


 ククより。

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