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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

アリの行列

作者: 早崎富也
掲載日:2026/02/15

少し前に見た夢から思いついた作品です。

ある日の夕方。

リョウヘイは放課後、家へ帰るべく歩いていた。


「ん?」


それはただの偶然だった。

リョウヘイの視界の隅に、アリの行列が映った。


「…………よーし……!」


しかし、その行動を選択したのは、まぎれもなく彼の意志だった。


「そりゃっ!そりゃっ!そりゃっ!」


リョウヘイはアリを次々と踏みつぶし始めた。

彼は虫を見つけては殺すのが大好きだった。

アリだけでなく、クモやミミズ、壁などにとまっているチョウやトンボなども、見つけては体を千切ったり潰したりして楽しんでいた。


「そりゃっ!そりゃっ!そりゃっ!」


その時、が見つけたアリの行列は思いの外長く、彼は夢中になってアリを踏みつぶし続けた。


「そりゃっ!そりゃっ!そりゃっ!」


そうやってアリを踏み続ける中で、リョウヘイは無意識の内にアリたちの先頭を追いかけていた。


「…………ん?」


そうして歩いていると、やがてアリの巣穴が見えて来た。


(よし、あの巣穴もメチャクチャにしてやろう!)


そう考えたリョウヘイは巣穴に向かって駆け出そうとした。


「あ、あれ……?」


ところが、走ることができない。

リョウヘイは気味が悪くなり、足を動かそうと力を入れるが、止まることも歩く方向を変えることもできない。

まるでアリの行列の一部になったかのように、一定のペースで巣穴に向かって歩くことしかできない。


「ひっ……!」


慌てたリョウヘイは助けてくれそうな人を捜そうと、辺りを見渡す。

しかし、周囲はいつの間にかうっそうとした雑木林になり、人影は全く見えない。

空もいつの間にか真っ暗になっている。


「だ、誰か!誰かいませんかー!」


大声で叫ぶも返事はなく、その間にもリョウヘイは巣穴へ近づいていく。

そしてリョウヘイが巣穴の目の前に来た時、巣穴が突然大きくなった。

穴の中は真っ暗で、まるで人を食べようとする怪物の口のようである。


「い、イヤだ……!イヤだあああぁぁぁーーー!」


リョウヘイは必死に逃れようとするも、身体は彼の意志に反して巣穴の中へと入っていた。

そしてリョウヘイが入ると、巣穴は元の小さな穴に戻った。




その日から、リョウヘイは行方不明になった。

警察は必死に捜索したが、情報は全くなく、何年かかっても捜査に進展はなかった。


それから十数年後、とある工事のために地中を掘っていた所、子供の人骨が見つかった。

遺体が身に着けていた衣服や、一緒に埋められていた持ち物から身元が判明した。


ただ、警察は遺体が完全に白骨化しているにもかかわらず、衣服などの破損や腐敗がほとんどないことを不思議に思った。

それはまるで、何かが衣服の中に入り込み、肉体を食べたかのようだった。

小中学生の頃の同級生に、よく虫を殺して遊んでいる奴いましたけど、今頃どこで何しているんでしょうかね?

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― 新着の感想 ―
 幼稚で逆襲の可能性を考慮しないイタズラややんちゃのつもりが、引き返せない領域への踏み入れに繋がってしまいましたか。  リョウヘイを呑み込んだ穴にも服と骨だけ残された末路にも驚かされるほどの引力のある…
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