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武術魂  作者: 富野夷
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土方歳三『燃えよ剣』は、言い過ぎではなかろうか

土方歳三は、薬の行商などもしていたらしい。近藤勇と同じく、武士ではない。

この時代、安定した収入の武士階級に戦闘意欲は、とうに無い。

幕府は、武士を夢見る武士では無い様な者に頼らざるを得なかった。それが近藤であり、土方だ。


土方は街々を巡りながら、道場も探ったことだろう。土方の目は、本質を見抜く事が出来る。

竹刀の打ち込みは、寸止めの様になってしまっている。

縦横無尽に竹刀を動かす。見た目はいいが、当てれは良いというだけになる。


型というと、実戦には通用しないと思われがちだ。

しかし、型は、攻、守の所が決まっているから思いきって打ち込める。

実戦では目の前に真剣。どうしても動きが縮むから、打ちは浅くなる。

とにかく、腰を入れて余分なほどに打ち込む稽古。それを体に染み込ませる。

竹刀は軽いから、腕だけでも振れる。しかし、それでは、相手に実戦で、かすり傷ぐらいだ。

天然理心流は、真剣並みに重い木刀を降る。その打ち込みは、相撲のぶつかり稽古の様でもあった。

天然理心流は泥臭い、田舎剣法と呼ばれた所以である。


ところで、土方は天然理心流の目録に過ぎず、免許には達していない。

新撰組には、続々と他流派の免許を得た者達が加入して来る。それを、まとめたのが、土方。

どうして、そんな事が可能だったのか。

余り言いたい事ではないが、人を斬っていたのは大きい。

浪士組から新撰組になって、まず京で盗賊等を斬ったのが土方達だ。剣客と言っても、この時期、まだ実際に人を斬っている者は少なかったろう。

その意味で、新撰組は、一歩早くスタートした。

例えば、竹刀の稽古で一本取られたとしても、

「さて、実戦では、どうかな」と余裕があった事だろう。

まあ、稽古は沖田、斎藤、永倉に任せておけば良いという事でもある。

特に、沖田の三段突きは、最速最強だ。「誰にも止められない」というものだったろう。


そして、土方は、芹澤鴨まで斬ってしまう。暗殺だ。この実行指導者は、土方だ。

それにしても、他に方法は無かったのだろうか。

鴨の弱点、酒で酔っぱらわせて、寝込みを襲う。卑怯といえば卑怯極まりない。

一対一とまでは言わないが、せめて素面の時に、やって欲しかった。

そんな土方なのに、

「燃えよ剣」

そして、現代では、大の人気者。

余りにも、鴨は悪く言われ過ぎではないだろうか。


そして、最終的に、土方歳三が終焉の箱館でたどり着くのは、

「武器は、銃に大砲。剣を腰にしても、用いるところ無し」

その剣は、不完全燃焼。

いや、土方の本質を見抜く目と言うべきなのかもしれない。

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