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今日は朝は晴れだったが正午頃から雨が降り出し午後の半ばまで続いたが幸いにも下校時までには止んだ。
とはいえまだ空には厚い雲がかかっている。家まで急いでいると幼馴染みの明子と出くわした。
そのときバケツをひっくり返したかのような大雨が降り注いできた。
「あそこに行こう。」
正晴はたまたま傍にあった公園を指さした。中央に東屋がある。
とはいえまだまだ雨は止みそうに無い。前が霞んでみえるほどだ。
「ひどい雨だ。見てみろよ、雨樋から滝みたいに流れ出てる。」
「あなたは傘を持ってるから帰れるでしょ。」
「それはそうだけど君を置いて僕だけ1人帰るのも気が引けるからね。」
それを聞いて明子が笑った。
「そういえば昨日あった話、聞きたいか。」
「どうしたの。」
「昨日、散歩中に車のタイヤがパンクして動けなくなっている男の人に会ったんだ。携帯も持っていなかったみたいで僕は頼みを聞いてロードサービスを呼んだんだ。そしたらその人が探偵をやっているらしくて。」
「すごいじゃない。それで?」
彼女の口調に熱がこもった。
「事務所でアルバイトをしないかって誘われた。」
「きっと正晴君の聡明さに惹かれたのよ。それであなたはどう思っているの。」
どことなく自分のことを過大評価したような言い方に少しうんざりしたが、考えは率直に述べよう。
「僕の家は母さんだけだし引き受けてみようと思ってる。もちろん条件や待遇について考えるけどね。」
そんなことをとりとめも無く話し合っている内に雨が引いてきた。2人とも立ち上がった。
数日後、正晴は博士の探偵事務所の前に立っていた。あらゆる推理小説の例に漏れず人目を引かない外見の事務所だと思った。コンクリートの階段を上がると以前見た無機質な金属製のドアが目の前に現れた。
正晴はそのドアをためらい無く叩いた。
直後に承諾の声が聞こえた。中に入る。部屋の中央のデスクに博士が掛けていた。
「来たのか、正晴君。」
「はい。突然お邪魔してすみません。」
「いいんだ。それで、決めたかい。いや、その顔を見ると尋ねるまでもないようだね。」
正晴は頷いた。
ついに正晴が探偵の助手になりました。
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