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4話 4/5 パンツ、別れ 

その後、順調に試験は終わり、あっという間に放課後になる。


「シモン、一緒に帰ろu」


ディノがシモンに話しかけようとした瞬間、横からどんどん他の生徒が割り込んでくる。


「シモン君!! この後予定ある? もし良かったら黒魔法教えてよ!!」


「俺も俺も!!」


「悪い、今からディノと用事があるんだ」


シモンがキッパリと断りを入れ、ディノの方を見る。


「(シモン… もう友達辞めよう… 今日から親友な…!!)」


シモンと共に教室を出る。


「そういえば、ディノの魔法凄かったな!! 誰かから教わったのか?」


「実は家の近くに凄い人が住んでて、その人から教わったんだ。 あと、凄いっていうならシモンの黒魔法の方がずっと凄いんじゃないのか? 俺も、俺に魔法を教えてくれた人も、黒魔法はほぼ全く使えなかった。 シモンも誰かから教えてもらったのか?」


そう言うとシモンは嬉しそうに笑う。


「おう! 実は俺の兄ちゃんが教えてくれたんだ!! 兄ちゃんはめちゃめちゃ強くて優しくて賢いんだ!! 魔吸虫の幼虫のことも兄ちゃんが教えてくれた!!」


「(完全に忘れてたけど、そういえばコイツ虫食ってたな…) へ、へぇ… そうなんだ。 もしかして、お兄さんは魔法隊の隊員なのか?」


ディノが聞くとシモンの顔が曇る。


「いや、兄ちゃんは…」


「お〜い!! ディノ君〜!!」


背後から聞こえる女の子の声にディノが素早く振り返る。


「エミリーちゃぁぁん!!!!(1日ぶりだけど、とっても長い間離れてた気がする…!!)」


エミリーが走ってディノ達の所へ駆け寄ってくる。


「ディノの知り合いか?」


「友達のエミリー・ハートちゃん! って言っても昨日友達になったばっかりなんだけどね」


「こんにちは! え〜っと…」


「俺はシモン・ルーエル! よろしく! エミリー!」


「(は? なんでいきなり呼び捨てしてんだコラ

!?)」


ディノがブチギレそうになっているとエミリーが笑顔になる。


「こちらこそよろしく! シモン君!」


シモンとエミリーが握手を交わす。


「(クッソ! もうエミリーちゃんの手を握りやがって!!)」


「そういえば! ディノ君とシモン君と試験見てたよ!! 2人とも凄かったね!!」


エミリーが輝く目でディノとシモンを見つめる。

途端、ディノの鼻の下がでろーんっと伸びる。


「ま、まぁね!! 余裕だよ! 余裕! そういえば、エミリーちゃんはどうだった?」


「ん〜、ディノ君やシモン君に比べたら全然かな〜 でも、かなり調子良かったんだ!」


「そうなんだ! 結果が楽しみだね!!」


ディノとエミリーが楽しそうに話していくと遠くから別の女子生徒の声が聞こえる。


「エミリー! そろそろ帰ろー!」


「うん! 今行く! じゃあね、ディノ君とシモン君!」


ディノが少し悲しい顔で見送る。


「俺達もそろそろ行くか!」


シモンが優しくディノの肩に手を置く。


「そうだな!  ………って、どこに行くんだ? 帰るんじゃないのか?」


「ディノがいいなら、一緒に町見に行かないか?」


「全然いいよ、行こう!」


「よしっ!」


シモンと共に町へ向かう。


「うお〜! やっぱり凄い人の数だな〜!」


「そういえば、シモンはどこか行きたいところでもあるのか?」


ディノが聞くと、シモンがバッグから何か取り出す。


「実は兄ちゃんに手紙送ろうと思ってさ!! とりあえず郵便屋さんに行きたい!!」


「へぇ〜 手紙か〜 (いいな。 俺も家族や師匠に書いてみようかな)」


ディノがそんな事を考えていると見覚えしか無い顔が人混みの中から見える。


「え」


「え、久しぶりディノ君」


「あ、はい。 お久しぶりですね、師匠… 数日ぶり… じゃなくて!! え、大丈夫なんですか…? 町普通に歩いてて… ま…魔導師…なんですよね……!?」


「あ…そうそう…だからその話題はなるべくしないでほしい… まぁ、あれだよ町歩くくらいなら死刑になったりしないから…」


「顔は隠さなくて大丈夫なんですか…? 」


「魔導師として登録されてる顔は若い頃の顔だからね、今は多分大丈夫… ほら、あそこの掲示板に貼られてる魔導師一覧の若者、あれ昔の私だよ」


セルスが指差した掲示板に近づき、今のセルスと見比べる。


「これ師匠だったんだ… う〜ん…? 似てる…ような?」


「こらこら、頭のてっぺんを見ながら言わないでくれ。 毎日パンツ被ってたら禿げたんだ」


「あ、そうそう。 週末に家族に会うついでに師匠の家に行ってもいいですか?」


「……………………あぁ、構わないよ」


「(ん…? なんか師匠変だな…?)あのっ、」


ディノがセルスに話しかけた瞬間、シモンがこちらを振り返る。


「ん? ディノ、その人は〜?」


「あ〜えっと… 俺の師匠さんだ。 セルスさんって言うんだ」


「へぇ〜!! その人が!!」


シモンが近づくと一瞬にしてセルスが姿を消す。


「はや!! 人見知りなのか?」


「いや、ちょっと事情があってね…」


「ほ〜ん、じゃあ挨拶はまた今度だな。 じゃ、郵便屋さん行くか」


「うん(やっぱり師匠ちょっと変だったような…?まぁ、次に会った時に聞けばいいか)」


その後、郵便局で買い物を済ませ、寮へ帰る。


「いい時間になってきたな。 夜ご飯食堂で一緒に食べて行こうぜ」


「そうだな」


シモンとディノがそんな事を話していると後ろから足音が近づいてくる。どうやら走っているようだ。


ディノとシモンが振り返った瞬間、音の主であろう大柄な男子生徒にディノの襟が掴まれ、持ち上げられる。


「てめぇ!! 何者だ!!!!!!」


男子生徒が怒号をあげる。


「くっ…! な…何…何がですか…?」


「ディノっ!!!」


苦しそうにするディノを見てシモンが咄嗟に魔法を出そうとする。


「邪魔するな!!!!」


男子生徒はシモンより先に風魔法を放ち、シモンを吹き飛ばす。


「シ…シモン…!! やりやがったな…!!!」


ディノが反撃しようとした瞬間、襟を放される。


「(何が起きたんだ…!?)」


ディノが男子生徒の方を見ると、ディノを掴んでいた腕が痙攣しており、腕を押さえながら膝をついていた。


「ただの軽い雷魔法です」


声のする方に見覚えのある女子生徒が立っていた。


「貴方は… 生徒会長の…」


「シャルン・ロードです。 少し、じっとしていて下さい」


シャルンがディノに回復魔法をかける。


「ありがとうございます!!(近くで見るとマジで美人だ… いい匂いもする…)」


「ところで、何があったか聞いてもいいですか?」


「僕にも何がなんだか… 急に後ろから襟を掴まれて…」


ディノの言葉を聞いてシャルンが男子生徒の方を睨むと、男子生徒は観念したのかディノに向かって頭を下げる。


「俺が悪かった。 でも少しだけいいか」


男子生徒がポケットから何かを取り出しながらディノとシャルンに近づく。


男子生徒が取り出したのはブラジャーだった。


「………これ以上ふざけるなら本格的に指導しますよ」


シャルンがより一層男子生徒を睨む。


「ちょ、ちょっと待ってくれ生徒会長!!! すぐ終わるから待ってくれ!!」


そう言うと男子生徒がディノの目の前までブラジャーを持っていき、思い切り引きちぎる。


「(…………何してんだコイツ)」


ディノの反応を見て男子生徒がため息をつく。


「違う…のか… えっと… お前、名前は何だ?」


「ディノ・ルブロです…」


「ディノか、悪かったな」


男子生徒が静かに立ち去る。


「ディノ!! 大丈夫か!!」


シモンがこちらへ走ってくる。


「シモンこそ!! 大丈夫!? ケガしてない!?」


「俺は大丈夫!! って、生徒会長!?」


「そう、生徒会長が助けてくれたんだ」


「生徒会長のシャルン・ロードです。 一応、貴方にも」


シャルンがシモンに近づき回復魔法をかける。


「ありがとうございます!! 生徒会長!!」


「いえいえ、それにしても…」


シャルンが少し考えこむ。


「えっと、どうかしました?」


ディノが聞くとシャルンが去っていく男子生徒の方を見る。


「あの方、ヴァルさんはとても優しい方で、絶対あのようなことをする人じゃないんです」


その言葉を聞いてシモンがディノを見る。


「ディノ… お前まさか何かやったのか…?」


「いやいや! 初対面だよ!? 俺何もしてないよ!?!?」


ディノが慌てる姿を見てシャルンが優しく微笑む。


「いえ、貴方を疑っている訳ではないので安心して下さい。 それでは私はこれで」


そう言うと、シャルンがディノとシモンに手を振り、去っていく。


「あ、ありがとうございました!」


「ありがと〜!! 生徒会長〜!! よし、俺たちもご飯食べに行くか!!」


「(………そういえばあのヴァルさん?が持ってたブラジャー、どっかで見たような…? ……いや、気のせいだな)」





















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