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3話 1/2 パンツ、どうか内密に

「よし、じゃあローブ着てみて」


セルスに言われ、自身よりかなり大きなローブを着てみる。


「こうですか?」


「あ〜やっぱり、ちょっと大きいか」


「そうですね、まだまだ僕には大きいです」


「よし、じっとしててね」


セルスがそう言うと、ディノに向けて手を構える。


ディノが不思議そうに眺めていると、どんどんローブが小さくなり、あっという間にピッタリの大きさへと変わった。


「おぉ! ピッタリですよ! 物を小さくする魔法ですか?」


「物と言うより、ローブの大きさを変える魔法だね」


「かなりピンポイントな魔法ですね… ん?」


ディノが首を傾げる。


「さっきこのローブは魔法を弾くって言ってませんでした?」


「実は、この魔法はローブに弾かれない魔法なんだ。 魔法師隊は皆この魔法を最初に教わる。 そして、ローブを自分の大きさに合わせるのが最初の任務なんだよ」


「なるほど」


「ちなみに、この魔法を知ってるのは魔法師隊の人間だけだよ。 口外禁止だからね」


「え、それ俺に教えて大丈夫なんですか?」


「もちろん駄目だよ。 バレたら私もディノ君も捕まるよ」


「ちょっと!!!!」


「ハハッ!」


ディノが怒るのを見てセルスが笑う。


「そのローブも本当は人に渡しちゃ駄目なんだよね。」


「じゃあ要らないです! 返品だ返品!!」


「まぁまぁ。 とりあえずローブの大きさを変える魔法を教えようか」


「それも教えたら絶対罪重くなりますよね!?」


「大丈夫、バレなきゃいいのよ」


「えぇ…」


「ディノ君が大きくなった時、自分で大きさを変えれたら便利だから」


「師匠が変えればいいんじゃないですか?」


「え〜めんどい」


「めんどいだけでわざわざ自分から罪重くするの釣り合ってます???」


「まぁまぁ。 覚えておくと案外役に立つ場面はあるよ。 例えば、魔法師隊と戦う時、相手のローブを小さくして、防御できる面を小さくしたり、逆に自分のローブを大きくして、防御できる面を増やしたりね」


「魔法師隊と戦う時なんて来なくていいですよ…」


「魔法師隊も何があるか分からないからね さ、始めるよ」


「どうかバレませんように… というか、その魔法って簡単に覚えられるんですか?」


「ディノ君は魔法使うのかなり上手だからすぐできると思うよ」


ディノが口に手を当てて少し考える。


「あの。 俺、師匠の前で魔法使ったことありましたっけ?」


「もちろん。 君があそこで魔法の練習してたのずっと見てたもん」


「え!?」


「ハハッ、そりゃそうだよ。 あれだけ毎日魔法使ってたら流石に気づくさ」


「まぁ、そうですよね…」


「対人戦でもあれだけ咄嗟に魔法を使える君なら、すぐに私の教えることは無くなってしまうだろうね」


「………ん? あの、師匠?」


「どうしたの?」


「俺が命からがら変態から逃げてるのずっと見てたんですか?」


「………ハハッ!」


気まずそうにセルスが笑い、誤魔化す。


「師匠超えたら絶対ボコボコにする!!!!!」


「楽しみに待ってるよ。 さ、始めようか」


「ええ!!! 始めましょう!! すぐに始めましょう!!」


―――1時間後―――


「うぉぉぉぉ!! 小さく! 大きく! 小さく! 大きく!」


ディノが叫びながら凄い勢いでローブを大きくしたり小さくしたりする。


「おぉ〜 早いね。 たった1時間でここまでできるようになるとは。 筋がいいね。 私、これ覚えるのに丸1日かかったんだよ」


ディノが得意そうな顔でセルスの方を見る。


「へへ、俺もしかして結構魔法を覚える才能あります?」


「まぁ、そこそこだね」


「え? そこそこ?」


ディノが少し不満げな顔になる。


「この魔法、師匠は覚えるのに丸1日かかったんですよね?」


「私は、ね。 魔法師隊の人達は30分あれば完全に使いこなしてたよ」


「30分!?」


「そう。 早い奴なんて5分で覚えてたしね。 まぁ、君の歳で1時間なら割と早い方なんじゃないかな」


「5分…」


「そう…5分… アァァァァァァァァ!!!!」


「ヒィ!?」


突然セルスが叫び、思わず身体がビクッとする。


「私はね… モテたくて魔法師隊に入ったんだ!! 努力して努力して努力して努力して努力して!! 隊長にまでなった!! なのに… なのに…!! 副隊長のアル・ガルマ!! アイツは魔法の天才な上にイケメンだった!! 1対1の勝負なら負けたことはないが、魔法の才ではアイツに勝てる者はいなかった!! オマケにイケメンだった!! 私はアイツよりずっと劣っていた!!」


「で、でも師匠は隊長だったんですよね? 凄いじゃないですか!」


ディノが頑張ってフォローしてみる。


「なーんも凄くない!! モテなきゃなーもんも意味ないじゃん!! 私の目的はあくまでモテること!! 隊長なんて、どーでも良かった!! なのに…!! アイツはいつもモテモテだった!! 両手どころか全身に華状態だったよ!! 今思い返すだけでも憎い!!


…………でもいいヤツなんだよ…私の足りていないところをいつも補ってくれていた、、、


………そろそろ休憩しようか、、、、」


「そ、そうですね! 俺、喉渇きました!(このことはあまり触れないようにしよっと…)」


ディノとセルスが家へと入る。


「水はそっちの樽に入ってるから。 横においてるコップで勝手に飲んでもらっていいよ」


「ありがとうございますっ! いただきますっ!」


ディノが早速コップを手に取り、水をすくって飲んでみる。


「っ!! 冷たくておいしい…!!」


「それは良かった。 その水は私が毎朝水魔法で生み出してる水なんだよ。 飲み終わったら2階に来てくれるかい。 ローブの他にまだ渡したい物があるんだ」


そう言うとセルスは2階へ上がって行った。


「分かりました」


暫くしてディノが2階へと向かう。


「ディノ君、こっちこっち」


一際大きな扉の部屋からセルスが顔を出す。


部屋へと向かい、中をそーっと覗いてみる。


「これは…!!」


「全部魔法書だよ」


視界の先には読み切るのにどれだけ時間がかかるか分からないほどの大量の魔法書が綺麗に並べられた空間が広がっていた。


ディノが目を輝かせながら部屋を眺めているとセルスが口を開く。


「好きなの持っていっていいよ。 私は全部読んでしまったから」


「え!? いいんですか!? じゃあ早速!」


ディノが試しに1冊手にとってみる。


「これは…黒魔法? 初めて見る魔法だ…」


「黒魔法、私達が普段使っている魔法とは全く違う性質を持つ魔法だよ」


「違う性質?」


「そう。 普通の魔法は何かを生み出すのが基本だけど、黒魔法は消滅させるのが基本なんだよ。 性質が違う分、覚え方も普通の魔法とはかなり違う。 黒魔法が使えるかどうかは、ほぼほぼ才能で決まっているよ。」


「へ〜 ちなみに師匠は使えるんですか?」


「私は初級中の初級くらいの黒魔法ならかろうじて使えるよ。 そう、私は…」


セルスがそう言った瞬間ディノが悟る。


「(あ、まずい) へ、へぇ! 師匠も使えるんですね! やっぱり凄いなぁ!」


「アイツはぁ!! アル・ガルマは!! 私とは違って黒魔法を扱うこともできる天才だった!!」


地雷を踏んでしまった。


ディノが素早く魔法書を何冊か手に取り、すぐに1階へと降りていく。


「(セルスさんの怒りが収まるまで下で魔法書読もう…)」


そう考えながら階段を降りていると廊下から男性の声が聞こえてくる。


「あの、 誰か居ませんか?」


「(師匠以外にも誰かこの家に住んでるのか? とりあえず挨拶しとくか)」


ディノが少し疑問に思いながら階段を降りきる。


「え〜っと、こんにち…」


声の主の姿を見た瞬間ディノが絶句する。


「なっ…! あっ…!」


ガタッ


声が出なくなり、腰が抜け、尻もちをつく。


「あ、あの。 大丈夫ですか?」


そうディノに聞いてきた声の主は、


「(なんで… なんでコイツがココに居るんだよ!!!)」


昨日、ディノを殺そうとしてきた変態だった。






































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