物語り
過去に投稿した「物語」の改訂版です。
夜がふけると
優しかった想い出は
姿を変えて
断ち切ったはずの過去が
幻のように
情け容赦無く、私の胸に迫ってくる
そこには
楽しさの代わりに悲しさが
喜びの代わりに虚しさが
好きになれない自分と
嫌いになれないあの人が
そこに居るーー
季節は巡り
今はただ
死に向かって指を折る
幸せな時はあったかい
楽しかったこと、覚えているかい
懐かしむように、昔話が始まる
私は語り始める
遠い昔のことを
懐かしむように
笑い話にもならない話を
私が本気で生きていた
あの時のことを
好きになれない自分と
嫌いになれなかった、あの人のことを
懐かしむようにーー
お読み下さりありがとうございました。
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