16話
デーヴィッドがヴィルヘルムの胸ぐらを掴んで振り回す
それをマウルが「やめろ ! やめるんだデーヴィッド !!
ヴィルヘルムの顔が真っ青じゃないか !? 一度落ち着け、頼むから !!」
と止めるカオスな図が完成した頃……
テリィーゼはこの空間にも慣れてきておネムになっていた。
(たいした度胸である)
メリッサが立ったまま寝そうなテリィーゼに気付き抱っこして
ヴィルヘルムの胸ぐらを離そうとしないデーヴィッドに語りかけた
「アナタ、テリィーゼが眠ってしまいそうなの
体力もまだあまりついてないから続きは大人たちだけで話し合っては ?
陛下もよろしいでしょうか ?」
「ん ? そうだな
兄上、今日のところは帰らせてもらうぞ ?
では、御前失礼する。さぁ、帰ろうか ?」
「いやいや少し待て、ゔうん ! マウルとバージルに
テリィーゼに力を正しく使える様にすることと制御を教えるよに、以上だ !」
「うむ ! 承知した !」
「はぁ、我輩には研究があるのだがな……
まぁ分かった、任された……」
ハァ……
「では、解散だ」
「よし ! メリッサ、テリィーゼ帰ろうか ?」
「はい、陛下御前失礼致します」
「は〜い、失礼致します」
ふぁあ
バタンっ
と扉が閉まると緊張が解けてホッとしたのか
テリィーゼが
「お母さま、お花摘みに行きたいです」
と言うのでデーヴィッドが馬車を待たせておくと先に行ったので二手に分かれた
テリィーゼはメリッサに案内され
「私はここで待ってるから行ってきなさい」
とトイレの前で別れ、さっさと用を済ませ待っている母のもとへ急ぎ角を曲がろうとした時だった
突然背後から誰かに口を塞がれてそのまま皇居でも人通りの少なそうな暗い道に引き込まれる。
(なに、なに ?! だれ ?! 怖い !! お母さま助けて !!!)
「ここまで連れてくれば見つからねぇだろ
おい、コイツであってるのか神官さんよぉ ?」
「ええ、この子です。神に選ばれし子は聖教国に属するが当たり前ですからね」
ふふふっ
(聖教国 ? なんの事 ? どこに連れて行くつもりなの ?)
「はやく気絶させるなりなんなりしろよ、気づかれちまうぞ ?」
「じゃあ、少し眠ってな嬢ちゃん お・や・す・み〜」
ハハハっ
首にトンっという衝撃を受けてテリィーゼは気を失うのだった……




