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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:再び海に行こう

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逃げ出そう

あらすじ:

 色んなしがらみ?から逃げ出したジェラード一行。残された者たちの運命は……?!(誇張)

「えらいことになりましたな。」

「ほ~ら、予想通り。」


 あたしの懇切丁寧な感想に何か言い返そうとするジェルだが、実際言った通りなのでむぅ、と唸るだけだ。というか、諸悪の根源が何をいうのやら。

 とりあえず、今いるのは姫巫女ちゃんとこの屋敷だ。正確に言えば敷地内の砂浜だ。とりあえず、水路に水を引いたことを大絶賛され、国家レベルでヨイショされそうになったので慌てて逃げてきたわけだ。

 装甲車のランドタイガーで全力で離れたのだが、それこそ全速力だったので乗り心地って言葉は異世界まで吹っ飛んでしまった。

 そんで車酔い、になるのかどうか知らないけど、あたしとジェル、そしてハルカが気分が悪くなってしまったのだが、ミスキスも王女様であるサフィも平気だったので、やっぱり異世界人は強いなー と謎の感想を。

 その後、戦闘ヘリのブラックホーネットを呼び寄せて、補助席も出して後部座席にあたしとミスキスで身を寄せ合って、前席にジェルとサフィ。そして一番小柄だったハルカをジェルとサフィの膝の上に横たえて、無理やり帰ってきた。

 まぁ、当然だがジェルと王女様の膝に寝かされたハルカは終始恐縮しまくりどころか、卒倒寸前だった。

 ちなみにサフィの提案で、ジェルの方が頭側にされていたが、うわごとのように「皆さんごめんなさい」とか言ってるのが…… なんでそうなる? とちょっと怖かった。


 ……いや、そこまで羨ましくもない、よ?


 とまぁ、そんな感じで帰ってきて、やっと一息ついたところだ。

 ちなみに、姫巫女ちゃんはともかく、ルビィを置いていったのは後でなんか言われそうだが。


「本気で逃げ出すことを考えましょう。」


 うん、それは同感だが、ある程度は「締めて」おかないとダメじゃなかろうか。


〈ん? みんな戻ってきたね。〉


 さすがに家主の姫巫女ちゃんがいないのに、屋敷に入るわけにもいかない――まぁ、入れないというのは嘘になる――ので、外で帰ってくるのを待っていたわけだ。

 で、それこそ姫巫女ちゃん一行とルビィが馬車で戻ってきたようだ。

 ……そろそろ着替えたいわね。空調とか効いてる無駄に高性能スーツだけど、普段着が懐かしい。言い方はアレだが、快適すぎるのも考えものである。


「ひどいのー!」

「ひどいですわ!」


 あたしたちの方に二人の女の子が走ってきて、一人――ルビィはあたしのところに、もう一人――姫巫女ちゃんはホーネットのところに駆け寄ってくる。


「置いてくなんてひどいのー!」


 とりあえず体当たりを全身で受け止める。砂浜だから踏ん張りはきかないが、どうにか転ばずに済んだ。

 あたしの胸に顔を埋めたルビィだが、こちらを見上げると、にへへ、と笑みを浮かべる。


「でもビックリしたのはホント。いきなりホーネットが飛んで行っちゃうし。」


 まぁ確かにそうだ。

 水路を水が走るのを見て、姫巫女ちゃんがついついホーネットに言って貯水池まで飛んで着陸したのだろう。徐々に溜まっていく水に心奪われたのだろう。

 そして、あたしたちが後追いで現れて、全力後退した後、ホーネットを呼んだわけだ。


〈……怒ってる?〉

「ホーネットに怒ってるわけじゃないの。普段人前に出なかったから、色々油断した自分に怒ってる。」


 そして向こうではホーネットの姫巫女ちゃんが話している。こちらもあたしたちと同じでそこまでトゲトゲとはしていない。


「ぬいぐるみがあるからって思ってたけど、人前に出ること考えたら、あの板のも持ってるべきだったかな、と。」

〈そうだね…… でも何もなくても、ディーナが助けを求めたら、僕はちゃんと行くからね。〉

「う、うん…… ありがと。」


 ……う~ん、ワワララトは気温が高いな~ 暑い暑い。


 何はともあれめでたしめでたし、と思うんだが、何か忘れているような……?


「ちなみに何か言うことはないか?」

「水が流れた瞬間、魔法で飛んで行った人に何を言うべきかと?」


 あ、ギルさん。そういやぁいつの間にかにいなくなっていたが、他の人と一緒に貯水池に向かっていったのか。


「む…… 確かに否定はしないが。」

「せっかくなので聞きますが、どういう雰囲気になってました?」


 ジェルに絡みに行こうとして若干失敗したギルさんが眉根を寄せて小さく唸る。


「簡単に言えば、国に取り込みたい、って感じだったな。ルビリア王女が『そんなこと我が国でもできてないのに、できるわけない』を遠回しに伝えてたが、どこまで通じているか。」


 あらま、ルビィも頑張ったのね。

 そんな気持ちを込めて頭を撫でてあげると、むふーと嬉しそうな顔で見上げてくる。


「まぁ急ぎにはなるが、明日もう一度会って欲しいとのことだ。非公式ではあるが、公式の会見と思ってくれていい。」

「面倒ですが…… やっておいた方が良いのでしょうね。」

「そうだな。ここで逃げると後々大変になるな。」

「我々はどこで道を誤ってしまったのか……」

「具体的に言うと、お前がやりすぎただけだと思うぞ。」


 さすがに自覚があるのが、ジェルはむぅと唸るだけだった。うむ、平和だ。

お読みいただきありがとうございます


さて、次回あたりで帰りたいものです

戻ったら、そこまで長くない小ネタ集をしばらくする予定(予定は未定)

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