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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:再び海に行こう

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合流しよう

あらすじ:

 水路を引く現地にいた面々だが、何故かローターの音が聞こえてきた

 聞き覚えのあるローター音、ってまぁこの世界でローターなんかあるのは一機しかいないわけで。


〈着陸しまーす! 近づかないでねー!〉


 黒い細身のシルエット――戦闘ヘリのブラックホーネットが降りてくる。

 このタイミングでこれに乗ってくるとしたら……


「いきなり申し訳ございません。姫様をお連れしました。」

(ぺこり。)


 姫巫女ちゃんと、お付きの双子の……ベラリーズさんが降りてくる。それともう一人、青色の髪の……


(あれ? あの人、海竜さん?)

(……ですな。)


 人の顔をあまり憶えないジェルですら、忘れられないような大海を思わせる深い青の髪をなびかせた女性。そして、


「ままー! おそらすごかった!」

「あらあら、帰りも乗せてもらいましょうかしらね。」


 彼女を子供サイズに縮めたような娘さんに優しい笑顔を浮かべているのが、このワワララトの国で守護者と崇められている海竜と呼ばれる存在だ。実際は凄いでっかい蛇タイプのドラゴン(全長までは知らない)らしいのだが、謎の力で人の姿をとれるらしい。


 ……あれ? ホーネットは三人乗りで、海竜の娘さんは小さいから膝にでも乗せて、って一人足りなくない?

 あ、ベラリーズさんの妹のベルリーズさんか。留守番ってことは無いと思うけど。


「ひゃぁぁぁぁぁぁっ!!」


 なんか遠くから悲鳴じみた声が聞こえてきたような気がする。いや、気じゃなくて聞こえてきた。

 声の方に皆の視線が集中すると、黒いキモノを着た見覚えのある女性の姿が。そしてその女性の腕にはいわゆる「お姫様抱っこ」にされた、これまた見覚えのある女性。


「やはり空を飛ばれると敵わぬかな?」


 どこか艶のある笑みを浮かべたのが黒いキモノ姿のサクさん。実物は見たことないけど、なんかすっごい強い黒いドラゴンらしい。だから海竜母娘と存在的には似ているとか。で、お姫様抱っこされていたのが、さっきも言ってたベルリーズさん。どうやらこの人、高所恐怖症みたいで、ヘリコプターに乗るのは避けたかったのだろう。

 で、別の選択肢としてサクさんだったんだろうけど、ふつーに我慢してホーネットに乗った方が良かったんじゃないか、って気がする。地面に降ろされたけど、腰が抜けたかのように立ち上がれない。


「ベル、大丈夫ですが。」

「…………は、はひ。」


 やっとのことで、息を整えたベルリーズさんがやや潤んだ目元を拭ってゆっくりと立ち上がるのを姫巫女ちゃんが心配そうに見ている。


「拙者としてはだいぶ優しくしたつもりだったが……」


 どこか苦笑いのサクさんだが、ドラゴン基準で人は理解するのは難しかろう。


「も、もしかして、あなた……様は、」


 そういやぁ王様もいたっけ。海竜さんを見て、わなわなと震えている。


「はい、こうやって会うのは初めてですが、この国の片隅に住まわせていただいている海竜です。

 あ、あんまり畏まらないでください。今回の姫巫女には助けてもらったので、ちょっと手助けですので。」

「しかし……」

「ホントに気になさらずに。別に私が何かするわけではないので。」

「は、はぁ……」


 海竜さんのどこか丁寧な口調ながら、圧を感じさせるので、王様も言葉が尻すぼみになる。そこで話が終わったのか、海竜さんがルビィ(さすがに合体解除した)を振り返る。


「あなたが召喚の力を持つ異国のお姫様ね。

 ……不思議な力ね。私たちの力に似てなくもないけど、どこか違うようで。」

「は、はい……」


 直接話すのは初めてなので、ちょっと緊張気味のルビィだが、そんな彼女に海竜さんは優しく微笑む。


「力は使う人の心で良くも悪くもなるのよ。でもあなたなら大丈夫。周りに見守ってくれる人がいるから。」


 と、いい話で終わりそうになったが、慌てて海竜さんが言葉を足す。


「何かを喚び出す、って言うからお手伝いかしら? まぁ、手伝うのは私じゃなくて、」


 と、ヒョイと姫巫女ちゃんを引き寄せてルビィの前に出す。


「この子に手伝わせてあげて。きっと役に立つから。」

「「は、はぁ……」」


 年齢としては姫巫女ちゃんの方が若いが、片方がしっかりめで、片方がちょっとアレなので、ちょうどいいくらいかもしれない。


「はい、まず二人で手を繋いで……」


 海竜さんの言うがままにルビィと姫巫女ちゃんがお互いの手を取ったところで、


「てつだうの!」


 おっと、これはルビィじゃなくて、海竜の娘ちゃんの方ね。ルビィの空いた手を両手でぎゅーっと握りしめる。


「となると、やはり姉としては動かねばならぬ。」


 と、ミスキスが背中から抱き着き、


「妹が頑張るのに、お姉ちゃんは黙って指をくわえているわけにいきませんわ。」


 とサフィが前からルビィを抱きしめる。


 ……こういう言い方はアレだが、あたしたちの揃いの制服の冷却機能が無いと暑そうよねぇ。


「わ、私は足に?!」


 そしてもう空きが無くてハルカが困っている。ビミョーにカオス。


「喚びます!

 ……来たれ『大地をかける猛き…… え? そんな呼び方されても何か違う? そうなの。分かったの。」


 一瞬お子様モードになったが、慌てて王女様モードになって表情を引き締めると、高らかに叫んだ。


「来たれ! ランドタイガーっ!!」

お読みいただきありがとうございます


熱いですねー さらにいうと、まだコロナに罹ったのが全快していません

んんんんー、許るさーん!! 私の回復を邪魔しおって!!

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