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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:また異世界に向かう準備をしよう
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とりあえず出かけよう

あらすじ:

 異世界にまた向かうための準備をするが、ラシェルやミスキスには微妙にやることがない

 さて、元の世界のジェルの家――ミルビット研究所に戻ってきてダラけたはいいが、それが許されるのは一日くらいだ。向こうの世界からこっちに来るまでに三日ほどかかっている。こちらで三日ほど、そして向こうに戻る?行く?のに同じくらいかかるとして十日。

 これがジェルが想定したスケジュールだ。

 とはいえ、ジェルは半日くらいでダラけるのを止めて、地下にこもってしまった。

 また不摂生になりそうだったし、リーナちゃんはリーナちゃんで色々準備があるし、執事(なんか知らんけどいるんだわ)のセバスチャンはたまにやりすぎる感があるので、食事時を見計らってジェルを引きずり出し、寝る時間になったらベッドに叩きつけて、とあたしになりに努力した。

 ついでに空いた時間に何やってるのか聞いた。経験則だけど、ジェルはたまにやってることを喋らせると、頭の中で整理がつくのか作業効率が良くなる。

 ちなみに何をしているかというと、異世界に行く方法の効率化とか、向こうに持っていく機材や素材の準備。あと、向こうで頼まれた調べ物、補充用の箱型汎用作業機械キューブの追加に、機体の整備。基本は指示を出しての丸投げなんだろうけど、指示だけとはいえ大変なのは変わりない。タイムリミットが三日程度なので、急ぐに越したことはない。

 あ、そうそう。リーナちゃんは食料品とか衣類の用意をして、ヒューイはシルバーグリフォンや艦載機に武器類の整備の手伝いをしている。

 で、あたしとミスキスはぶっちゃけると暇だった。まぁ、ジェルからは出かけてもいいと言われたし、ミスキス用の自動翻訳機に偽造ID(絶対バレないレベル)もあるんで大丈夫だろう。無論、この世界の都市部の治安は良いし、あたしはともかく、ミスキスはチンピラくらいなら問題ないらしい。ジェルからもらったスタンバトンとか持ってたし。


「というわけで、出かける?」

「ウン、行キタイ。」


 覚えたての銀河共通語で返事してくれるのは良いが、正直会話に自信がないので、翻訳機を使ってくれるように頼んだ。



 本来の姿であるスポーツカータイプのホイールーカーのダッシュパンサー。それこそ制御AIのパンサーがいるので、あたしたちが運転をする必要がない。というか、運転できないし。


〈一応これでも私、調べものの最中なんですけどね。〉


 と、言いながらも走ってくれるパンサーだが、どうせネットの海の中の調べものだったら片手間でもできるでしょうが。


〈……まぁ、そうなんですけど。〉

『調べもの?』


 ミスキスが不思議そうな顔をするので、一応あたしでも分かる範囲で、この世界のことを説明した。

 世界中、どころか星々を超えて宇宙の隅々まで……は言いすぎだが、人間の進出した範囲のよほどの僻地ではない限り、通信網ができており、そこに接続できれば集合知、とも言える膨大な情報を調べることができるわけだ。ただまぁ、あまりにも量が多く、悪意のあるなしに関わらず、誤った情報も多い。その中から正しいものを見つけ出すのは、それなりの知識や技術が必要である。


「というわけで、遠くで起きた出来事も瞬時に分かるし、過去の出来事も風化することなく記録され続ける、ってわけ。」


 ジェルから聞いた話からすると、何百年前の一般人が消息を調べているそうだ。その時代では今みたいな認証用のIDなんか普及していなかったが、ジェルに言わせると「影」を探せば推測できる、とか。


『なるほど。凄い世界。』


 ミスキスは感心するが、それはそれで良いのか悪いのかは分からない。便利ではあるが、それはそれでなんかこう、せわしない感じがする。

 ミルビット研究所を出てしばし。そろそろ街中に入る。せっかくだから、向こうに行くときのお土産とか考えようかしら。それと……


『?』


 首をかしげるミスキスだが、あたしたちが向こうに行った時と逆で、彼女の服装はこの世界ではやや違和感がある。下手すると「天然素材」なんて高級品なのだが、縫製技術が甘いせいか随分とアンバランスになる。


 となると……


「やっぱあそこ行くしかないかぁ……」


 とりあえず回る予定の中に一つ入れておくけど、少し心の準備が必要なので後回しにしておく。

 まずは腹ごしらえと行こう。

 リーナちゃんの料理もいいが、たまにはジャンクな物も久しぶりに食べたいわけだ。

 ガッツリとしたハンバーガーを炭酸で流し込む。毎日そんなことをしてたらウェストラインが気になってしゃーない感じになるが、たまには魂の開放として必要なことだ。

 早速ドライブスルーで、って思ったが、パンサーがにおいがつきそうだからと嫌がったため、それこそ数百年前から続いている老舗チェーン店に入ることに。……というか、鼻あるんかい。

 同じような物は向こうでも食べたが、本場?はやっぱり一味違う。このびみょーに体に悪そうなジャンク感がやはり癖になる。


「どう?」

『……すっごい美味しいわけじゃないけど、また食べたくなる。リリーならきっと、』


 と、巨大サイズにバーガーの写真を指をさす。


『三つくらいはいけると思う。』


 あ~ かもねぇ。というか、前にカイルが一回の食事で全メニュー制覇したことあったっけ。


『この飲み物も不思議な味。でもなんか癖になる。』


 と、黒い色の炭酸飲料をストローで吸うミスキスがペースを誤って一気に飲み干したので、もう一杯頼むことに。

 ……なんかこんなことでも「戻ってきたなぁ」としみじみ感じてしまう。

 そういやぁ向こうではずっと硬貨を使っていたので、IDで支払いするのもなんか懐かしい。


 と、色んなものを摂取したので、次に向かうとしますか。

お読みいただきありがとうございます

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