表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:再び海に行こう
83/129

海を楽しもう?

あらすじ:

 海で遊ぼうと砂浜に出た一行。とはいえ、ジェラードとしては積極的に遊ぶ気も無いようで

「色々考えたのですけどね、今日は海に入るのは止めようかと思います。

 具体的に言うと、ヒューイもカイルもリーナもいないので、波にさらわれたり溺れたりすると救助がとても大変です。」


 ミスキスとかベラリーズさんとかいけそうな気がするし、シルバーグリフォンも一キロほど沖合にいるけど、ちゃんと監視してくれていると思うし。もしかしたら海の中に箱型汎用作業機械キューブとかドローンっぽいものとかも待機しているのかもしれない。

 まぁ、ジェルは(特に女の子がいるときは)安全には必要以上に気を使うのよね。


「まずは釣りの準備をしております。

 後は砂浜でできる遊びですね。先ほどはそう言いましたが、波打ち際くらいで遊ぶくらいならオッケーです。それこそホーネットが見てますからね。」


 ジェルが空を指さすと、静音サイレント飛行ムーブをしている戦闘ヘリが見える。

 空を見上げて姫巫女様が嬉しそうに手を振るが、その胸元に抱かれているホーネットを模したぬいぐるみはどこか…… 何というか苦しげに見える。う~ん、あの子(姫巫女様)って年齢の割にはその、なんというかボリュームがなかなかなのよね。ホーネットも男の子ってことなのだろうか。

 色々話し合い?があって、プリンセス三人組はお付きの人とメイドさんを連れて釣りに。釣りの仕方に関してはホーネットと、うろ覚えながらも知識があったハルカが担当するようだ。行く前にはサマージャケットに日焼け止め、更につば広帽子でカンカン照りの日光に対抗だ、って国の偉い人に会うってぇのにこんがり日焼けしてたらそれそれでねぇ。それ以前に女の子の肌は繊細だよ。特に王女様はね。

 それと、万が一を考えてのライフジャケットは必須。ジェルのことだから安全第一のギミック満載なんだろうし。これも同じようなものを知っていたハルカが説明してくれて、皆スムーズに着てくれた。

 この世界に投げ釣り、しかもリールを使ったものがあるのかどうかは知らんけど、それでも竿やバケツを手にワイワイ楽しそうである。


 一方、ジェルは相変わらずダラダラとしたいとか。ミスキスは午前中は休む方向性。となると、あたしは…… うん、そうなるとやっぱり一人で何かする気にはならんなぁ。


「ふふふ、せくすぃ~?」


 どこから持ってきたのかサングラスをかけて、水着姿でビーチチェアに寝そべり、びみょーなしなを作ってみせるミスキス。ただまぁ相変わらずの無表情なのでそのギャップがちょっと面白い。


「ノーコメントとさせていただきます。

 それに元々魅力的な女の子なのですし、無理に慣れないことをしなくても素敵ですよ。」

「うぐっ、」


 中途半端なポーズで固まるミスキス。褐色の肌が少し赤くなる。サングラスを下にずらし、どこか涙目+上目遣いのコンボでジェルを弱々しく睨む。


「ズルい。」


 む、セリフも込みでなかなかの破壊力。


 うっすら涙目に一瞬気圧されながらも、すぐにジェルが平静を取り戻す。


「ズルくありません。ラシェルが女性が悪意無くアピールしてきたり、新しい服装をしてきたときは素直に褒めろ、と厳しく言われてるのですよ。」


 やれやれです、とワザとらしく肩を竦める。


 ああ、確かに前に言ったことがあるけど、そこまで厳しく言ったっけ? って、うん、結構言ってるかも。だからこそ、時折心臓に悪いことを言われる。……まぁ嫌ってわけじゃないんだけどさ。


「まぁいいです。とりあえず今日はのんびりする日に決めたので、ダラダラします。」


 着ていた白衣を脱いでビーチチェアに横になると、シーツのように白衣をかけて目を閉じる。まぁ、寝ているわけじゃないが何もしたくないのだろう。


「ほら、波や風のささやきに耳を傾けて、自然を感じるのです。」


 自然から一番かけ離れたような奴が減らず口を叩く。とはいえ、ジェル謹製のパラソルは紫外線も熱も防ぎながらもあんまり暗くならず、この下だと風が吹くと意外と涼しげに感じる。


「…………」


 自然とやらを感じる間もなく、あっさりとうっすら寝息になったジェルだが、それでもまぁ眠りが浅いのか、感覚が鋭いのか。これでも意外と無防備じゃない。とりあえず悪意や敵意、あとまぁイタズラ心とか抱かなきゃ大丈夫だ。……とりあえず顔に落書きは一度も成功したことが無い。


「…………」


 そしてその様子を見てたミスキスが何かを思いついたような顔を(たぶん)すると、自分のビーチチェアをジェルのチェアのすぐそばに寄せ、その上に音もなく横になる。手を伸ばせば、というか、腕を抱きかかえられるくらいの距離だ。


 ……む。


 別に対抗するってわけでもないが、あたしもビーチチェアを反対側に寄せると、三人で並んで横になる。


 あ、風が気持ちいいかも……

 遠くに波の音が聞こえる。なんかこういうのは久しぶりだ。普段ダラダラとしているのとは違う…… 言葉は違うかもしれないが、なんかリゾート気分というのはこういうのかもしれない。

 気づくと目が閉じて、意識がフワフワして……


「「ああああああっ!!」」


 二人分くらいの女の子の悲鳴じみた声で目が覚めた。


「ラシェルもミスキスも…… なんかその、ズルいの!」


 ズルい……? ルビィの声なのだが、一体何が何やら?

 と、完全に目が覚めたところで、あたしとミスキスでジェルの腕を両側から抱きしめて密着して寝ていたことに気づいた。


 おーまいがー

お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ