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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:王都を回ろう

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王様とも話をしよう

宮廷魔術師のギルバートのとこで話をしていると、この国の王様が入ってきた

「よくも騙しましたね。……これが裏切り、というものか。」

「騙してもいないし、裏切ってもいないからな。」


 演技じみた(でも相変わらずに微表情)のジェルにギルさんがやや疲れたように返す。


「良く来たな、ジェラードにラシェル。って、半月くらい前だからそこまで久しぶりというわけでもないか。」


 王様はカラカラと笑うと、椅子にドスンと腰掛けたところで、メイド長のおばさまが新しい紅茶を淹れてくれた。……お、味がワンランク上がっている気がする。


「娘たちは向こうに行ってるし、バカ息子たちにお土産を用意するような奴でもなかろう。

 俺だってハナから期待はしていない。

 が、土産代わりに教えてもらいたいことがあるんだがいいか?」

「はぁ……?」


 微妙に遺憾の意を示すようにギルさんを見るが、諦めろと言わんばかりに首を振られて、肩を竦めながら王様に向き直る。


「分かる範囲でしたら。」

「お前に分からないことがあるのか?」

「なさそうだな。」

「ん~ あたしも見たことない。」


 三人で突っ込んだら、均等に――いや、あたしは多めかな?――ジト目で見られた。


「それくらい、お前の知識を皆信頼しているということだ。

 それでその知識を我が民に振るってほしい。」


 声音の真剣さに、ジェルも面倒くさそうな顔はそのままだが、それでも姿勢を正したので聞く気はあるようだ。


「……それでギル。この王都に真っ先に必要なものは何だ?」


 と、真っ先にギルさんに視線を向ける王様に、ジェルとギルさんの視線が一瞬交差して、同時に小さくため息をつく。


「お前ら不敬だぞ。特にギル、お前は一応は雇われている身だろ。そんな態度なら貴族にするぞ!」

「どさくさ紛れに俺まで貴族にしないでください。」


 そこでギルさんがチラリとジェルを見て、小さく口元に笑みを浮かべる。


「そういうのはジェラードだけで十分です。」

「よし、この世界を滅ぼそう。」


 いきなり大魔王になったジェルに、あたしは無言で聖なるチョップを振り下ろした。



「まずは『衛生』ですね。

 病気にならない。なっても悪化しない環境を築くことですね。『ゴミ処理』もしくは『下水』ですかね。」

「なるほど、確かに外周部に行くほど、その辺が適当になっているのは否めないな。」

「王都の地下には地下迷宮ダンジョンが広がっているので、これを利用しましょう。」

「何? ダンジョンってあのダンジョン……だよな。」

「ちなみに行ったことがあるんですか?」

「無論、成人に儀式で城の地下には行っているし、若いころには……いや、行ってないぞ。」


 王様はややドヤ顔で言おうとしたところで、ギルさんに睨まれて慌てて誤魔化す。そういやぁ、この王様も若いころはやんちゃだったそうで。第一王子を見ているとよく分かる。

 ダンジョンってぇのはそれこそゲームみたいにモンスターがウロチョロしていて、危険と引き換えに財宝とか名誉が得られるところだ。で、そのダンジョンはこの王都コンラッドの地下にもあるのだが、モンスターは特に出ず、時代と共に少しずつ広がり、その強固な迷宮の上に王都が建っているという。

 で、王族は成年(十五歳)を迎えた時に、城の地下迷宮で「試練」を受ける風習があるそうで(ちなみにあたしたちもちょっと絡んだ)、その試練の時はそれなりにモンスターが出るそうだが。

 これはダンジョンのコアである魔法的存在の「性格」で決まるらしく、王都のダンジョンコアの人は温厚というか、知的好奇心に溢れる変わり者らしく、特に人に危害を加えないし、話もできるわけで。


「ダンジョンにはある程度の物質操作や分解能力があるので、ゴミ処理に使えるかな、と思いまして。というか、コンラッドでも実験しようかと思いまして。」

「……ん? 待てよ。」


 ジェルの言葉に違和感を持ったのか、王様がギルの方を見ながら首を傾げる。


「お前の言い分だと、ハンブロンにもダンジョンがあるように聞こえるな。」

「ありますからね。」


 ジェルが素っ気なく返すと、王様が硬直した。そこでギルさんがあっ、と言いたげな顔をする。おっと、これはヤバい流れか?


「聞いてないぞ!」

「そうですか?」

「そうですね、伝えておりませんでした。」


 声を荒げる王様に、ジェルもギルさんも涼しい顔だ。言葉に詰まって、次の言葉を選んでいるが少しすると疲れたように溜息をつく。


「お前ら二人がそうなら問題はないんだろうな。

 ……まぁ、その辺についても、ある程度固まったら説明してくれ。あとギル、ジェラードがらみの案件、再度確認してくれ。」

「畏まりました。」


 忙しいのか、心労なのか、ややお疲れな感じで王様が出ていく。……大変だねぇ。


「まぁいい。今の件、もう少し詰めてもらってもいいか?」

「分かりました。」


 雑談も交えながら、ギルさんと一時間ほど打ち合わせると、それ以上の面倒が来る前に王城を辞することにした。


 ……あれ? そういやぁ、グラディンさん、まだ王都に戻ってきてないよね? というか途中で追い越してるよね?

 となると、今晩の泊まる場所は……どうすんの?

お読みいただきありがとうございました


え~と、昨日、書き上げるのをすっかり忘れていました☆

なんかメッチャ疲れて、それでも途中まで書いて続きを、というのは憶えていたはずなのですが……


いやはや、時の流れというのは恐ろしい(言い訳言い訳)

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