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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:異世界での生活を再開しよう

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起きよう

あらすじ:

 異世界に戻ってきたチーム・グリフォン。皆の歓迎を受けた後、一晩明けて朝が来る。

 朝だ。


 そういやぁ、昨日は宇宙船の中だったし、その数日前は異世界だったんだよな。それがなんかすげーな、って思ったってことは随分とこっちの世界に染まってしまったってことだろうか。


「とりあえず起きませんか?」


 頭の上からジェルの声がする。

 一緒に寝ててもジェルの方がいつも先に起きているんだよなぁ。寝顔をじっくり見られているわけか。……今更だけど。

 昨日はしがみついて寝たので、あたしが起きないとジェルも動けないようだ。眼鏡を外した顔はなかなかのレアである。まぁ伊達メガネな上にデータグラスなので、必要ないんだけど、そこはそれで印象操作らしい。よくよく考えると、あたしたちの世界の技術なら視力矯正なんかいくらでもできるわけで。それこそ義眼サイバーアイだってある。

 薄らぼんやり目を開いたところで、結構な至近距離にその眼鏡なしの顔があって思わずドキッとしてしまう。


「ぐーぐー。」

「ベタですな。」

「あと五分。」

「眠り姫は王子様のキスをご所望ですか。」


 は?!


 思わず目を開けてしまうと、そこには失言した風の気まずい顔をしたジェルが見えた。


「…………してくれるの?」


 少し考えて、そう言ってみると、ジェルの顔が分かりやすくひきつる。

 あたしとしては、もうすでに五回ほど経験済みですし、それこそ親愛の~とかあるし?

 ……ゴメン。ちょっと見栄張った。ジェル以外はちょっと無理。そして向こうがどう思っているかはちょっと気になるんですがね。


「……えっと、実に魅惑的な提案ではありますが、やめておきましょう。」

「理由は?」

「まず、そもそもそーゆーことを軽々しく扱うのは私のポリシーに反します。

 それと……」

「それと?」


 別に嫌がっているわけではない、のかな?


「そーゆーことをですね、ラシェルとやってますよー ってバレたら、他の人たちがどう思いますかね? 特に誰かさんは。」


 あ~

 誰かさん(・・・・)はあたしたちがこの世界を去る最後の最後でどえらいことをしでかしたので警戒は必要だ。一応「順番」は守ってくれるらしいので、安心……かなぁ?

 色々もやもやしていると、ジェルが身じろぎするので、仕方なく布団を抜け出る。


「ちょっとお待ちを。」


 そんなあたしをすり抜けて、ベッドをポンと叩いてから、もう一つのベッドに向かう。あたしがベッドに座りなおしたところで、診察道具を持ってきたジェルが椅子を引き寄せてあたしの前に座る。


「世界を跳び越えた影響を確認します。とりあえず、ラシェルが身体的には脆弱そうなので先に確認します。」


 言い方! とは思うけど、まぁ事実だからしょうがない。


「さ~て、お嬢ちゃんの身体をすみずみまで見させてもらおうかねぇ。ゲッへっへ。」


 淡々とゲスいセリフを吐きながらも、口の中や目を覗き込み、心音や呼吸音を(背中からね)確認しているジェル。あの表情は特に問題なし、ってとこかな?


「自己申告では?」

「お腹が減った。」

「それは結構。」


 道具をしまうと、こちらに背中を向けて夜着を脱ぎだしたので、慌ててあたしも背中を向けて着替え始める。ジェルの方が早く終わるけど、器用なことに音で判断しているらしく、あたしが終わったところで振り返る。


「腹ペコ達が待っているから急ぎましょう。」

「うん。」


 予想通り、というか、水が高いところから低いところに落ちるくらいに当たり前のように、食堂はあたしたちが来るのが若干遅れたために殺気じみた「気」に満ち溢れていた。


「遅いぞ。」

「遅いよー。」

「遅いの。」


 カイルを筆頭にリリーとルビィが今や遅しと待ち構えていた。そこまで待たせたつもりはないのだが。


「はいはーい。二人とも最後なんでさっさと座ってくださーい。」


 朝からテキパキとアイラがテーブルに皿を並べていく。今朝はシンプルにパンとオムレツにサラダというところか。シンプルかつ応用が利くので、作り手の腕が問われるメニューだ。アイラが厨房に行ったり来たりしているところを見ると、今朝のシェフはリーナちゃんなんだろう。

 毎日のこととはいえ、楽しみ、というか何という贅沢なのか。


「「「いただきます!」」」

「うめぇ!」

「おいしい!」

「美味しいの!」


 相変わらず賑やかなことだが、確かに美味しい。今日は単なるオムレツかと思ったら、中に味付きのひき肉が入ったミートオムレツだ。

 濃い目の味付けを外側の卵で中和し、ちょうどよい塩加減になっている。パンとの相性も抜群だ。載せて食べても美味しい。サラダはドレッシングがチーズ系で、カリカリのクルトンが良いアクセントになっている。これまたオムレツの肉との組み合わせが楽しい。


「いやぁ、領主館を隣にしたのはなかなかの英断だったが、この食事の為なら十分すぎる価値があったよ。」


 朝から健啖けんたんぶりを発揮する我らが領主様のジェニーさん。朝からワインはダメですよー ってにこやかな笑顔のアイラに釘を刺されて苦笑いを浮かべている。


「さてジェラード君、早速だが相談に乗ってもらってもいいかな?」


 さてさて、あたしはともかく、やはりこの世界でもジェルはのんびりさせてもらえないようだ。はいはい、頑張ってちょうだいな、と

お読みいただきありがとうございます


……なんか書こうと思ってたことがあったのですが、忘れてしまいました。思い出したら書きますが、ここに書く程度の裏話なので、大した期待をしないでくださいw

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