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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:異世界に再び降り立とう

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色んな人と話をしよう(その1)

あらすじ:

 戻ってきたラシェルたち。大した日数でもなかったわけだが、お祝いとばかりに飲み会が始まる。

「「「かんぱーい!」」」


「雄牛の角亭」の中に木のカップの打ち鳴らされる音が響く。

 カップの中身は昼だからってノンアルコールにしていたつもりだが、一部の悪い大人がお酒をこっそり足して飲んでる。普段は咎める役のアイラは料理のサーブに忙しくて、本来は歓待されるはずのリーナちゃんも料理や配膳を手伝っている。まぁ本人が好きでやって楽しそうなのでアイラも諦めた、というか背に腹は代えられない、ということに。


 まぁ、店内は豪華だ。


 コンラッド王国の王女姉妹に宮廷魔術師。王都にいるはずの獣人商人ズ。城でよく見た黒髪&金髪メイド。……あ、ちょっと聞いたら某蝶のマスクの商人さんは、仕事があって来れなくて残念がっていたそうで。なんか「魂だけは来ている」とか。なんのこっちゃ。

 あとは同じ制服姿の人たちがわんさか。カイルの周りでお酒を呑んでいる。……テオの姿が見えるので都市シティ騎士ナイツの皆さんよね。

 あとは鎧までは着ていないが雰囲気でそれっぽい女性騎士の皆さんとかメイドさんとか。


 ……随分王都から人来てるなぁ。


「驚いたかね?」

「まぁ、話半分で聞いてましたが、ここまで想定していませんでしたね。」

「ふふ。その感想だけでも頑張った甲斐があったというものだよ。」


 同じテーブルの領主様であるジェニーさんが、これまた同じテーブルのジェルと話している。ジェニーさんは昼まではあるが、ご機嫌にワインが入っている。なんか最近は昼はワイン一杯だけ許してくれるようになったので、それをソーダで割って二倍飲めるようにした、というどうでもないことを力説していたが、ジェルが「雄牛の角亭」の左右の建物を気にしていることに気づいて、急にドヤ顔になっていた。


「それと申し訳ないと思ったが、パンサーとキューブで門の見張りの手伝いをさせている。すでに二人ほど不審者を捕らえたよ。変装、というのかな? 顔を変えていたのを見抜くから凄いものだよ。」

「ほぉ?」


 お、ジェルが食いついた。


「内心ディスってくるのはともかく、そりゃ自分の周りの安全は気になりますよ。」

「ジェラード君がいるだけで、町の治安は良くなるから領主としては大助かりだよ。」

「私は虫よけか何かですか。」

「それこそジェラード君のおかげで色々な特産物が出来たし、様々な魔獣素材で町もこの上ないほど潤ったのでね。

 そりゃ、甘い汁を吸おうとたかる『虫』は現れるわけだ。」


 上手い事を言う、とジェニーさんが口元を吊り上げると、ジェルが逆方向に口を曲げる。


「で、実際にはどれくらい来ているので?」

「商人は多いな。砂糖に酒に調味料とあきないたい物には事欠かないからな。

 今のところは町の産業として、町で保護かつ管理しているような形になっているからな。抜け駆けしようと考える輩は必ずいる。」


 向こうでぎくっ、と動いた狐耳と狸耳が見えたような気がするが気のせいだろう。『うちらとの仲やんか~』とか迫ってたけど、ジェニーさんもジェルもそういうのは断るタイプなので、門前払いされていた。まぁ、それでも「雄牛の角亭」用で直接買い付け――まぁ誰かさんがリーナちゃんには甘いので、色んな食材をね――を頼むことがあるので、損はさせてないと思うんだがなぁ。まぁ商魂たくましいからしょうがない。


「あとは町の『秘密』を探ろうとする輩もいるようだが、基本君たちだから安心だけどね。

 それでも、この店が君たちの『弱点』であるのは間違いないからね。もう私も開き直ってコアの人に頼むことにしたよ。」


 まぁ弱点なのは否定しないけど、それはどっちかというと「逆鱗」的な意味合いでだ。


「……まぁ、私もコアの人に聞きたいことがあるから、後で会ってきますか。」

「そういうことは明日以降にでもしてもらえると助かる。何せ君たちに会いたかった人たちが多すぎてな。王女たちにアイラ嬢、リリー嬢に関しては後でゆっくりな。」


 最後にウィンクを残して立ち上がると、入れ替わりのように獣人二人があたしたちのテーブルに着く。


「無事戻ってこれたんじゃな。なによりじゃぞい。」

「ホンマや。でもまぁちゃんと帰ってくるって信じとったしな。」


 狸の獣人のグラディンさんと、狐の獣人のカエデだ。さっき後ろめたかった王都の商人ズだ。


「で、どうじゃ婿殿。ぬしらの世界に簡単に行き来できるようになったのか?」


 なんか凄い(商人的に)邪悪な笑みを浮かべたグラディンさんがぐいぐい迫ってくるが、見かけ妙齢の美女なのに、口調も相まって残念感が半端ない。


「世界を超えるのですから簡単ではないですね。少なくとも我々でしかできませんし、向こうは飽くまでも『夢の国』くらいに思っておいてください。」


 商売には向きませんよ、と釘をさす。


 確かに。ミスキスもあたしたちの世界に来たはいいけど、文明レベルが違いすぎて、服とか食べ物とかそういうものくらいしかお土産に考えられなかった。大体そういう文明の利器は、ジェルから離れればいずれは使えなくなるし、単発でもヤバい物はそもそも誰かに渡す気は無い。

 まだトライ&エラーの最中なので、異世界航行の安全が確立するまではそんなに頻繁に行き来するつもりはないそうで。現にシルバーグリフォンも今山の中の基地でオーバーホール一歩手前くらいの整備中でしばらく動けない。


「そんなわけで、しばらくはのんびりする予定です。」

「まぁ、婿殿のことじゃ。きっと土産もあるんじゃろうから期待しておくかの。」


 うっしっし、と言われた後は普通?の雑談と土産話になるのであった。

お読みいただきありがとうございます


個人的な雑談ですが、GW直前がえらい肉体的に忙しくて、ソファで横になっているだけで寝落ちしているくらいでした。もう連休も終わってしまい、虚しく広がる無限の荒野……(意味不明)

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