表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
宇宙(そら)からの脅威

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/159

戦い方の差

あらすじ:

 武装も装甲も上の降下艇の前に、戦闘ヘリのブラックホーネットが立ちはだかる

「おいおい、聞いてねぇぞ。」

「この星にGUPが来てたのか?」

「というかカトンボ(ヘリコプター)一機でどうするつもりだよ。」


 宙賊の降下艇は全長五十メートルくらい。動きは鈍重だが、その分強力なシールドを備えている。眼前にいるヘリコプターは十二メートル程度。こちらのシールドを破れるような武装があるとは思えない。ビームを撃つ瞬間、その周囲のシールドを一部解除する必要があるが、その瞬間を狙うという戦術は基本存在しない。さらに降下艇自身の装甲も厚い。これは足を止めた「獲物」に接触して白兵戦を行うこともあるためだ。

 ただ基本、降下艇は大気圏内・重力下で行動するのに向いていない。そして「敵」は小型で動きが速い。


「まぁいいや。当てた奴が酒一本追加だな。」


 よし、俺が当てるぜ。いや、俺だ、みたいな声が船内に広がる。それぞれが板状端末タブレットを手にすると、降下艇の武装を次々に急上昇した黒いヘリコプターに向けるが、第一射は虚空へと消える。


「おいおい、すばしっこいなぁ。」

「だからこそおもしれぇじゃないか。」

「そうだそうだ。」

「下手くそは引っ込んでろ。」


 わいわいと騒ぎながら、遊び七割くらいでレーダーに映る「敵機」を撃ちまくる。


「おい、今の当たってねぇか?」


 レーダー上の光点をビームが貫いたが、未だに光点はその場に存在している。と、次の瞬間、光点が分裂してレーダー内に沢山の輝線を描く。輝線は空飛ぶサンタクロースのイラストになると、そのままレーダーから消えていく。


欺瞞ぎまんか?! おい、光学センサーはどうなってる!」


 緩んだ空気が急に緊迫したものになると、レーダーやセンサーの担当が幾つか操作すると、声を上げる。


「光学センサーも騙してやがった! あのカトンボ、最初見た時から動いてねぇ!」

「舐めやがって!」


 激昂する宙賊の男たち。

 コンピューターでの処理をカットして、欺瞞を受けづらくしながらも、今度はちゃんと飛び始めた黒いヘリコプターを狙う。しかし、ヘリコプターはこちらの宙賊の攻撃が分かっているかのように避けていく。


「くそっ、さっきよりも当たらねぇ!」

「当たれ当たれ当たれ!」


 頭に血が上って、ビームをやたらと連射する。相手の大きさを考えれば、掠りでもすれば墜とせるハズなので、エネルギーの大盤振る舞いだ。

 最初いい気になっていたところに欺瞞を見せられて踊らされたと分かって、血の気の多い宙賊たちは冷静さを失っていた。これだけの全力攻撃を続けていれば、航行するのも厳しくなってくる。


「待て!」


 一人が大声を上げる。


「エネルギーの残量はどれくらいだ?」


 その言葉に別の宙賊が答える。


「四十パーセントを切ってる。これ以上はマズいぞ。」


 無理に武装を強化をした上に、様々な違法改造を重ねたために燃費は酷く悪いものとなっていた。

 ただでも惑星の大気圏内は重力もあり、宇宙空間よりもエネルギーを消耗しやすい。


「してやられたか。ま、でも相手が優秀なら、それはそれでこっちは宙賊らしく卑怯にやらせてもらうかねぇ。」


 手元のタブレットを操作すると、ニヤリと笑う。


「さぁ、どこを狙っているか分かるだろ? やれやれ、正義のヒーロー様ってぇのは大変だねぇ。」


 男の指が画面上で跳ねた。



 戦闘ヘリブラックホーネットよりも大きい相手に呼びかけたら、あちこちから光線を放ってきた。が、狙いは全然的外れで、ホーネットはさっきから一メートルも動いていない。


〈そろそろ動き出すから、二人ともしっかり掴まってて。〉


 途中から飛行を開始しているが、それでも向こうの光線は全然掠りもしない。流れる風景に海竜娘は歓声を上げるが、姫巫女は普段とは違う戦闘機動にそこまでの余裕が無かった。


〈こっちの分析だと、そろそろガス欠…… じゃ分からないか。こっち風に言えば魔力切れになるかな?〉

「あの大きいのって魔力で動いているの?」

〈魔力とは違うけど、そんな感じの「力」で飛んだり光線を撃ったりしてるんだよね。〉


 ホーネットの説明にコクピットの中の姫巫女が首を傾げた。


〈さすがにそーゆーのが切れそうになったら帰ってくれると思うんだけどさ…… ん?〉

「どうしたの?」

「たいへん。ひめみこちゃんのおねえさんたちがあぶない。」


 海竜娘の言葉よりも先に、ホーネットがいきなり機体を傾けると急降下をかける。シートベルトはしているとはいえ、身体が浮きそうな感覚に姫巫女が小さく悲鳴を上げる。

 地上にビームが向かないように、基本降下艇よりも高い位置をキープしていたが、そのセオリーを全く無視する動きだ。


「え? 何?!」

〈屋敷が! おねーさんたちが!〉


 降下艇のビーム砲の一門が姫巫女たちが住む屋敷に照準を向けていた。現在は姫巫女のお付きの双子が待機しているはずだ。それに気づいたホーネットは自分でも反射的(・・・)にその射線に割り込む。通信を飛ばしたところでビームの威力を考えると、人の脚で逃げるのは不可能だろう。


「ホーネット!」

〈あ……〉


 ホーネットは気づいた。自分が今どこにいるのか。自分の中に誰が乗っているのか。そして自分の防御力でビームには間違いなく耐えられないことが。


 自己意志を持つコンピューターは絶望した。

お読みいただきありがとうございます


そういえば、今年最初の更新でしたし、前回は去年最後の更新だったんですね、とふと気づいた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ