表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
宇宙(そら)からの脅威

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

155/159

ある集落の最期

あらすじ:

 宙賊は「敵」がいないこの惑星を蹂躙し始める


※暴力的な描写が続きますので、苦手な人は読み飛ばしてください

「お、これは酒か?」

「こっちには食い物があるぜ。」


 行商人の馬車を漁る宙賊の男たち。

 その近くには死体が四つ転がっている。商人と思われる御者はあちこちに熱線銃の跡があり、苦悶の表情を浮かべていたので、何かしらの惨たらしい目に遭わされたようだ。


「合成ものとは全然違うぜ!」

「うめぇ!」


 早速味見と言う名の酒宴が始まる。

 安物の合成食料や、それこそ人間が飲んで安全なのかどうかも怪しいアルコールを飲んでいた身としては、ただ単に干した肉だろうが、まだ未熟なワインだろうが、今までに感じたことのない美味だったのだろう。

「戦利品」を降下艇に詰め込むと、衛星軌道上で待機している宇宙船に連絡を入れる。


「こちら降下艇。地上は生存可能な環境。現地人と接触したが言葉が全く通じない。

 あと脅威度はほぼゼロだ。銃じゃなくて剣なんか持ってたぜ。」

『へぇ、そうか。』

「馬車がいたから挨拶したら、食い物とワインが手に入ったぜ。」

『そいつはでかした。』


 向こうの声も弾んで聞こえてくる。


「一度お宝を積んで帰還する。」

『了解だ。』


 降下艇が荷馬車の積み荷、そして新鮮な空気を大量に積むと、一度大気圏外へと戻っていく。その時の姿と吹き上がる炎、そして轟音を捉えた者が僅かにいた。

 その見たこと無い姿が恐ろしい怪物か、天変地異かと思われ、近隣の町や村に注意喚起がなされたが、ある意味それは無駄に終わる。



 宙賊の宇宙船の中では酒宴で盛り上がっていた。補給のめどがついたためか、船倉に残っている酒や食料まで放出して、思う存分飲み食いをしている。

 必要最低限は残しているが、後はまぁ「下」に降りれば幾らでも手に入る、ということだろう。

 降下艇で降りた連中からの情報をまとめると、人間が住んでいるみたいだが、文明レベルは低く、電気機器や銃は持ってないというか、存在しない模様。ただ、魔法の存在までは気づいていないようだ。

 この星がどういう経緯で存在しているかは不明だが、衛星軌道上にも人工物は存在しないし、電波などの通信手段が未だに観測できていない。地上にも脅威になりそうな構造物も見当たらない。

 つまり、現時点で何をしようとも反撃される可能性は皆無だし、銀河連合警察に察知されて捕縛でも撃墜される心配も限りなく低い――つまりはやりたい放題、というわけだ。


「言葉が通じないのは問題だな。」

「それはコンピューターに解析させよう。」


 どういう「交渉」をするかにしても、意思疎通ができないのは困りものだ。


「とりあえず、食いもんを補充した方がいいな。後は酒に……」


 宙賊どもの顔に嫌な笑みが浮かぶ。


「確かに最近、ご無沙汰だよなぁ。」

「折角自由にやれるしな。」

「近くに集落か何かはないか?」



 次の日。惑星に着陸した降下艇は、今回は運搬用の車輛も用意して、捜索範囲を広げる。調査ではなく「調達」が目的のため、人数も前回より増やしている。

 上空から村くらいの集落は確認している。場所は分かっているので、ワイワイとピクニック気分で集落の一つに向かっていく。

 しばらくすると遠目に何かしらの人工物が見えてきた。

 簡素な柵で覆われた質素な集落。それでも入口と思われる開口部には槍を構えた二人男が立っていた。


「お、すげー! 槍持ってるぜ槍!」


 いきなり現れた動く巨大な金属の塊。その上に乗った幾人かの雰囲気の悪い――まさに山賊を思わせる――男たち。そんなのが来たら、無論槍を向けられないはずがない。


「…………!」


 短い言葉を言われたが、何かわからない。おそらくは制止の言葉なのだろう。


「おい、ちゃんと録音しとけよ。さすがに言葉が分からんと面倒だ。」

「ああ、やってる。」

「…………、…………!」


 更に語気を強めて槍を構えるが、下手な魔獣よりも大きな車両を見て、一歩後ずさる。これくらいの集落にそこまで戦闘経験のある人はいない。多少狩りとかできた村人が精いっぱいだ。未知の存在に


「そろそろうるさいなぁ……」

「男の声なんか聞きたくないなぁ。」


 腰も引けているし、片方はもっと後ずさって集落の中に戻ろうとしている。おそらくは村に異常を伝えるつもりなのだろう。


「ま、どうせ結果は同じか。」


 手慣れた様子でそれぞれの武器を抜くと、競うようにトリガーに指をかけた。この世界では異質な発射音ととともに光線や熱戦が数条飛び交う。頭や身体を撃ちぬかれた男二人が悲鳴も上げる間もなく槍を手から落として倒れた。

 たまたま中から入口の様子を見ていた人が悲鳴を上げる。


「あ~あ、」


 誰のが当たったか、って確認しようとしていたところで、集落内が騒がしくなる。


「もうちょっと静かにやりたかったんだがなぁ。」

「しょーがないなぁ。」


 宙族の男たちはニヤニヤしながら集落の中に入っている。

 目についた男や老人は銃の的にする。子供は蹴飛ばしてみる。女は適当な建物に連れ込む。食料や金目の物を奪う。そんな風に言葉にするのもおぞましいまでの虐殺に凌辱に略奪。


 ……わずか一昼夜でその集落は滅びるのであった。

お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ