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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:また異世界に向かう準備をしよう

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15/152

色々確認しよう

あらすじ;

 どこかの通常空間に復帰したシルバーグリフォン。さてここは……?

〈機体に負荷はかかりましたが特に問題は無し。ダメージは多少ありますが、航行中で修復できるほどのものです。〉


 通常空間(だと思う)に戻ってきたシルバーグリフォン。しかし、この空間が「どこの」空間か、なんだが。元の世界かあたしたちの知ってる異世界のどちらかならいいのだが、第三の見知らぬ異世界だったらさすがにビビるわけだが。


〈……えっと、異世界に置いてきたビーコンの電波を受信。「向こう側」に到着したようです。〉


 グリフォンの言葉にコクピット内にどこか安堵の空気が流れる。黒猫スコッチが何を騒いでいるんだか、と言わんばかりに大きなあくびをする。


「ちなみに、転移の再現性は?」

〈おそらくですが、もう少しパラメーターの調整が必要でしょうね。あと、二、三度跳べば安定して跳べそうな気がしますが。〉


 凄いコンピュータなんだろうけど「気」とか言うなよ。


「ふ~ん……」

「博士。惑星に滞在しているホーネットから通信が入っています。」


 ちょっと考え事をしたジェルに、リーナちゃんが声をかける。


「ん? 繋いでくれ。音声は少し低めでな。」

「はい……?」


 ちょっと分からない顔をしながらもいくつかのキーに触れると、コクピット内のあちこちにあるスピーカーから声が鳴り響いた。


『ハカセーーーーーーっ!!』


 お?


『帰ってきた、ってホーネット君が言ってた! ホント? ホント?』


 ボリュームを落としたはずなのに音が割れんばかりに(いや、割れないけど)聞こえてきた少女の声に思わず思考が止まるが、あたしの隣のミスキスは「妹」の声に頬を緩ませ、目がうっすらと潤ませる。


「……早く帰りたい。」

『……早く帰りたい。』


 あれ? ミスキスが翻訳機を通して喋っているのだが、その言葉がハモって聞こえる。

 つまり…… どういうことだ? もしかしたら、もしかすると?


「ミスキス、翻訳機外してみて。」

「うん…… 外したけど……」


 あれ? やっぱりミスキスの言葉が普通に分かる。ということは、


「あたしの言ってること分かる?」

「あれ? 分かる。でも言葉と口の動きが合ってない……?」


 最後列で二人で喋っている間に、ジェルが興奮するリリーをなだめて、さも忙しそうなふりをしながらもしっかり会話に入ってくるアイラに返事をする。それなりの時間には「雄牛の角亭」に到着できる、と説明したところで歓喜と安堵の声が返ってきて、通信が切れた。


「時にラシェル、」


 どこか疲労した顔のジェルが、こちらを振り返る。


「あなたを愛しています。」


 ……は?


 あ~ ちょっと待ったちょっと待った。これは前にもやったぞ。動揺を隠しながらもコクピット内を見て、ヒューイとミスキスは反応していない。リーナちゃんはスクリーンに目を落として首を傾げる。


〈その逸話は諸説しょせつ紛々(ふんぷん)あるらしいですね。〉


 それもジェルに直接聞いたな。


「ミスキス、ジェルが今何言ったか分かる?」

「ううん、翻訳機これつけてないし。」


 ミスキスが小さく振ったので、大体理解できた。どうやらあたしだけ(・・・・・)がこの世界に来て「翻訳魔法」がかかったらしい。となると、待てよ……?


「スコッチ……?」

(ん? また俺の声が聞こえるようになったのか。面倒だな……)


 一瞬顔を上げたかと思うと、相変わらずのイケボで呟き、くるんと丸くなって目を閉じる。そこがリーナちゃんの膝の上じゃなかったら渋さの極みだったんだけど。


「……となると、これはルビリア姫とのシンクロみたいなものでしょうかね。それこそ、魔素マナが見えたり動物と話せる能力は彼女がラシェルの中からいなくなっても残っていましたし、そう考えると筋が通りますな。」


 あ~ ルビリア姫――ルビィの恩恵か。まあ、言葉を憶えたり翻訳機をつけなきゃならなくていいのはありがたい。ありがたいんだけど、ありがたいんだけど…… なんか微妙。だけどお礼は言っておこう。


「よし、状況も把握できたところで、とっととあの星に向かわないか?。

 ……そういやぁ、あの星とか世界に名前はあるのかな?」


 ヒューイの素朴な疑問に、全員が首をかしげる。ちなみに地元民であるミスキスも同様だ。


「ふ~ん…… その辺は着いてから調べてみますか。無かった適当に呼称を考えましょう。

 そろそろ地上の重力が恋しくなってきました。シルバーグリフォン、発進。座標計算後、ショートワープとリープで適当に恒星系まで移動。夕飯には間に合わせますよ。」

了解ラジャー!〉


 ジェルの言葉でメインエンジンを点火したシルバーグリフォンは数度の跳躍を経て、みんなが待っているであろう惑星の周回軌道まで到着したのであった。

 その後、いつものように大気圏に突入し、いつかの時とは違って穏便かつ平穏に星に降り立つのであった。


 さ、のんびりできるのかな?

 ……まぁ、色々やらなきゃならないことはあるんだけどさ。お話合いとか。

MISSION:また異世界に向かう準備をしよう

...MISSION COMPLETE


お読みいただきありがとうございます

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