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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:また異世界に向かう準備をしよう

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12/152

明日に備えて時間を潰そう

あらすじ:

 シルバーグリフォン号が異世界に召喚された空域へとワープをした。明日からは異世界への道を探すことに。ただその前に……

《座標計算終了しました。ワープドライブ始動します。》

「はいはい。」


 相変わらずのジェルの気に無い返事にミスキスが(分かりづらいけど)顔色を変える。


『やっぱりこの船、凄い。』


 ポツリと呟く。まぁ、分からんでもない。一般的なワープだと、船内なり艦内なりは重力変動が起きたりガタガタ揺れたりとして大変……らしい。リープ航法は移動距離もワープよりも短いしエネルギー消費も激しいが、ワープほど内部の影響が少なくて、豪華客船とかに使われているそうで。


《空間湾曲を確認。ワープドライブ臨界。ワープイン!》


 でもまぁ、ジェルの作ったシルバーグリフォン号はワープとリープの両方を積んでいる上に、普通の物より長距離跳べて、中もすっごい楽っていいことづくめというか、おかしい。いや、いいんだけどさ。

 一瞬、ブワンと謎の感覚が走ったけど、その後は平穏無事。窓を開けて外は見られないが、空間と空間の隙間であるワープフィールドの中……らしい。


「まずは我々が最初にルビリア姫に『召喚』された宙域に向かいます。」


 上げられる確率は上げるに越したことはないでしょうし、と肩をすくめるジェル。


「ワープアウト後、周辺の調査をしながら、エネルギーを溜めて色々チャレンジですな。

 何かあるとしたら、ラシェルやミスキスでしょうねぇ。向こうから何か感じられたら教えてください。」

『分かった。』

「……努力はする。」


 やる気満々のミスキスと比べ、あたしとしては自信はない。黒猫スコッチの言葉も分からなくなったし、魔素マナとか魔力が見えなくなっているわけで、今更ながら普通の女の子に戻ってしまったわけで。

 あ、でもあの時のルビィの声を聞いたのは魔法とか全く知らない頃だったよなぁ。

 とにかく、今から力んでもしょうがないわけで。ワープアウトもふんわりとショックも感じずに完了すると、相変わらずの漆黒の宇宙空間の中だ。少し前まではこの光景も普通だったはずなのに、ずっと異世界の惑星上にいたからか、どこか遠く見えるような気もする。


 どのみち今できることはない。


 というか、意外と暇を持て余しつつある。あたしたちだけなら部屋にこもるのもアリなんだろうけど、ミスキスがいるから、って言い訳っぽくなるが、かといって彼女にあたしたちと同じ娯楽を教えていいものか、というのがあたしも含めてジェルの懸念だ。

 具体的に言えば、あたしたちの世界の知識を結構持っているんで、サブカル的な物やゲームとか教えたら理解は早いと思う。けど、前にホバーディスクを見せたら、徹夜で使い方を覚えたことがあったっけ。ワンクール一気見とか、徹夜でゲームとかしだしたら…… 店長のアイラがメッチャ怒るな。そしてそのとばっちり(いや、責任はこっちにもあるが)も降りかかってくるに違いない。

 意外とシルバーグリフォン号の中って、そういうのを除くと時間を潰す方法がなかなかない。ソフト面は豊富なんだけどねぇ。一応トレーニングルームがあるんで、鍛えるのが好きなどこかの筋肉魔人とかは結構こもっていて肉の圧が鬱陶しいこともあったりするが。

 あたしもあっちの世界で天然物の食材をたらふく食べていたので、少し身体を動かした方がいいかもしれない。ミスキスは大丈夫なんだろうけど、一人というのもなんか寂しいので誘ってみた。見るもの聞くもの興味深いのか、二つ返事でついてきたミスキスと一緒にトレーニングウェアに着替える。サイズはまぁどうにかなった。リリーやルビィだったらちょっと合うサイズがなかったかも。……そういやぁ、どこぞの狐の獣人だったら逆の意味でサイズが合わなそうなんだけど、色々悔しいので必死に思考の外へ追い出した。



 トレーニングルームとはいえ、一般的に考えるよりもそこまで広くはない。そこはやはり宇宙船の中ということで、スペースに余裕がないというところか。

 そういう意味ではお風呂もないが、個室ごとにトイレ・シャワー完備だ。ただ生活スペースとしてはさほど広くない。ベッドとデスクくらいしかない。

 それでもランニングマシンが二台と、筋トレができそうなマシンが二台というところだ。後は壁にバーベルとかダンベルが固定されている。

 大きく体を動かすのは無理だが、それに関しては格納庫にマットを敷けばどうにかなるといえばなる。


『ほぉほぉほぉ、』


 無表情ながらもどこか高揚した顔でマシンに触っている。恐る恐るランニングマシンのベルトに足を乗せて、それが動くと分かって、まずはゆっくりと歩き始める。

 マシンの意義は理解できたようなので、パネルを操作してゆっくりと動かす。


「そんな感じのもの。」

『……大体理解した。』


 自分でもパネルを操作して速度を調整すると、少し強めのランニングを始める。今更ながら走り方がきれいだ。向こうの世界だと身体強化とかあるのかもしれないが、そういうのを抜きにしてもアスリート並みかそれ以上の運動能力があるのだろう。


『うん、結構面白い。』


 ただ走るのも飽きるので、と走るのに合わせて前のスクリーンの風景が変わるように誰かさんが作った。普通の物でもそういう機能があるが、誰かさんの設計なので、それ以上である。特に今はビル街を走り抜ける光景なので、見たことなミスキスにはさぞかし楽しかろう。

 あたしはそこまで積極的ではなかったものの、それなりに汗をかき、シャワーで汗を流して夕飯、そして就寝と今日は終わった。


 明日からは「あの」異世界に向けて跳ぶチャレンジだ。うまいこといきますように。

お読みいただきありがとうございます


次回(3月18日)の更新はできなかったらごめんなさい

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