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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:また異世界に向かう準備をしよう

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再び宇宙に飛び出そう

あらすじ:

 元の世界に戻ってきて数日。再び「異世界」に向けて旅立つ日が来た

 こっちの世界に来て……いや戻ってきて三日目。どうやら色々目途が立ったのか、朝はともかく、昼は呼ばれなくてもリビングにやってきたジェル。

 なので、昼は四人でテーブルを囲む。そう、ヒューイは今日は朝から銀河(G)連合(U)警察(P)に出て、雑事を片付けているそうで。まぁ多少事件的なことになったとしても、心配する人はいない。安定感はチーム・グリフォン一だからね。

 午後からは出発のために荷物をまとめている。まぁ、シルバーグリフォンの大きさを考えたら人間用の荷物なんてたかが知れてる。あんまり工夫することのなく、どんどこまとめては箱型汎用作業機械キューブに頼んで積んでもらう。なんか建材みたいのとか、機械とメッチャ運び込んでいたけど、やりすぎないといいなぁ……

 リーナちゃんが手配した食料品も大量に積み込まれる。カイルがいないから通常よりももちそうな気がしないでもない。

 それでもまだ時間に余裕があったので、またパンサーに乗って近くのスーパーでおやつ的なものを買い込んでみた。あたしたちには見慣れたスーパーでも、異世界からミスキスには何もかもが物珍しく見えるのだろう。随分とはしゃいでいたが、二言目には「これはリリーが」とか「アイラが喜びそう」と残してきた「姉妹」のことばかりだ。いささか落ち着かないようだし、どこか遠い目をしているので軽いホームシックなものかもしれない。

 戻って夕飯だったのだが、ヒューイは間に合わなかったようだけど、夜に帰ってきた。リーナちゃんが用意していた夜食をイケメンスマイルで食べている。食べながら話を聞いたら、なんでも麻薬組織を一つ潰してきたとかで。

 いや、そんな爽やか笑顔で言われましても。

 久しぶりだから手加減思い出せなくて大変だったよ、と言うのを、それはお疲れ様です、ってリーナちゃんが笑顔で返すので、なんか訳の分からない空間になっている。

 夜更かしする理由もないので、いつものように、いや、ここのところずっと独り寝だ。それが「正しい」のは分かっているのだけど、なんかこう…… 物足りない。

 色々もやもやしながらも、時間になれば自然に眠りにつくんだから、人間というのは随分とてきとーなものである。



「シルバーグリフォン、発進!」

了解ラジャー!〉


 そして翌日。ミルビットの研究所の地下の格納庫というか秘密基地。そこから高速戦艦シルバーグリフォンが海水を遮るシールドを抜けて海中に飛び出す。そのまま加速して海面に虹をかけながら更に上昇する。

 シルバーグリフォンには艦載機として低高度偵察及び対地攻撃機ファイヤーロック、高高度偵察及び対空戦闘機サンダーロック。大型トレーラーのグレイエレファント。高速ホイールカーのダッシュパンサーが搭載されている。コクピット内には、メインパイロットのヒューイ、マスターコントロールのジェルにナビゲーターのリーナちゃん。一応あたしはレーダーと通信員で、臨時クルーのミスキスはリーナちゃんの補佐、というところだ。後はマスコットの黒猫スコッチ

 あたしたちを乗せたグリフォンは地球の引力圏をたやすく振り切り、宇宙空間に到着する。更にメインエンジンを吹かし、いくつかの惑星を横目に見ながら――って実際はそんなに見えないわけだが――太陽系の外に出る。そこからしばらく飛べば、周囲への重力の影響を気にしなくてよくなる宙域になる。


〈ワープ可能宙域に到着。〉

「座標計算開始。多少時間はかかるだろうから、今のうちに昼にするか。

 リーナ、頼む。」

了解ラジャー。〉

「はい、かしこまりました。」


 グリフォンが返事をし、リーナちゃんがコクピットを出ていく。


「昼食ができるまで少し時間がかかるでしょうから、これからの予定をザックリ説明します。

 異世界(向こう)から戻ってきたのと逆の経路になります。

 向こうにもビーコンを置いてきたのと、後は摩訶不思議な力でどうにかルートを見つけて、ワープフィールド内でリープを強行します。予備部品は三セットくらいありますので、使い切る前に標準化したいもので。」


 ジェルの希望としては、毎回毎回力業や運任せで行き来しなくても済むようにしたいそうだ。ま、当然といえば当然だけど。きっとそのルールも分かってしまえば「こんなもんか」ってことなんだろうけどね。

 ただ確立したとしても公表する気は無いらしい。ジェルの予想では、シルバーグリフォンくらいのド外道なオーバーテクノロジークラスの船が無いと無理じゃないか、と。超光速航行であるワープ機関とリープ機関を両方搭載するのはよほど機体を大きくしなければならないが、機体を大きくすればその分質量が増え、航行するためのエネルギーもその分指数関数的に増えて、どこかで矛盾というか無理が出てしまうとか。


「まぁ、いつものことながらなるようになるしかないわけでして。

 最悪はワープやリープに失敗して木っ端微塵ですね。向こうについたはいいけど、グリフォンに重大な損傷が出て戻れなくなりました、くらいなら御の字としておきましょう。」


 そこまでジェルが話したところで、ダイニングキッチンからコールが入った。どうやら昼ごはんの準備ができたらしい。


「まずは腹ごしらえをしてからのんびり考えましょう。」


 そうジェルが立ち上がると、あたしたちもぞろぞろとコクピットを出ていくのであった。


 ……さ、今日の昼は何かな?

お読みいただきありがとうございます

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