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異世界行ってもチーム・グリフォン!2  作者: 財油 雷矢
MISSION:再び海に行こう

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帰り支度をしよう

あらすじ:

 そろそろワワララトを離れるが、何か忘れているような……?

 サフィがまとめた手紙をワワララト王に送り付けて、そろそろこの国でやることも無くなったので帰る頃合。

 不意に外から通信が入った。


《ところで、俺のこと忘れてませんかね?》

「あ、」

《やっぱり忘れてたか……》


 ジェルの一文字返事に落胆したような声を返したのは、強襲突撃装甲車のランドタイガー。このワワララトに真水を引くための水路工事をした今回の一番の功労者なんだが、色んなごたごたの後で、現場に置きっぱなしであったような気がした。

 陸路で海まで出られれば、まぁ海底を通って戻れるのだが、陸路はふつーに街の中を通ることになる。

 王様に言って通してもらうのも手だが、建物を壊さずに通れるルートがない。そうなると空から、ってことになるのだが、今回連れてきている戦闘ヘリのブラックホーネットでは重くて持ち上がらない。シルバーグリフォンに来てもらうにはちょっと狭すぎるようで。


「というわけで、またお願いします。」

「分かったのー。」


 と、現場に行ってもらった時のように召喚魔法でタイガーを呼んでもらうことに。

 海岸に呼んで海底から行ってもらうことも考えたのだが、双方から不満の声が上がった。海水に浸かると後の整備が面倒らしいし、そんなのを格納庫に入れるのも同じく清掃が面倒らしい。任務とかで必要に応じてやるならともかく、他の手段も使えるのに、無理にするのはいかがなものかと、と。

 そんなわけで、全員でグリフォンに移動することに。それこそこれでハンブロンに戻るために、帰り支度をしつつも、そういえばサクさん全然戻ってこないなー まぁ帰るってなったらひょっこり現れそうだし、最悪自力で帰ってきそうなわけで。ついでに連絡手段がないのよね。

 そして沖合にいるグリフォンに向かうまでにも色々イベントが発生した。

 まずギルさん。転移魔法でもホーネットでも使って帰ったらどうです? とジェルに言われたが、たまにはハンブロンに顔を出したいし、そこまで戻れば転送陣が使えるからな、とドヤ顔された。まぁ純粋にグリフォンに乗ってみたかったんだろう。

 で、行く方法としてはマリンバイクかホーネットってところなのだが、マリンバイクにも興味津々だったが海の上を走る関係上、水着にならないと後が大変であるわけで。


「水着、か……」


 さすがに躊躇いがちなギルさん。まぁこっちの人は慣れてないだろうからねぇ。


「こういう言い方はなんだが、人前で肌をさらすのはその、恥ずかしいだろ?」


 ……何言ってるんだこの人は。乙女か。というか、服の上からでも分かるその筋肉、何がどう恥ずかしいんだか。

 そんなわけでギルさんはホーネット。そしてホーネット大好き姫巫女ちゃんは聞くまでもなく。それにお供としてベラリーズさん。

 悩みどころは高所恐怖症のベルリーズさんで、ホーネットには乗らずに済むなら乗りたくないしが、かといってマリンバイクで行くのもどうか、と。ただ、色々考えて、無理にどうこうする必要はない、と思い当たったのか、留守番となった。意外とここに時間かかったのよね。

 まぁ、それでマリンバイクで行く組は水着に着替えて海岸から沖合まで疾走することにした。今回は陰でこっそり練習していたハルカがハンドルを握ってサフィと。そしてミスキスがルビィを乗せて行ってしまったので、きをきかせたのかどうかは不明だが、ジェルと一緒に行くことに。


「……前にします? 後ろにします?」


 いつもは後ろよねー うん、


「前で。」


 ジェルが小さくため息をついた。

 マリンバイクの後ろ側にジェルが座ったので、その前に身体を滑り込ませて…… そうか! ジェルの背中側は基本白衣なのでどうとでもなったが、水着なんで前は素肌でしょ! あたしだってビキニだし、ちょっと見栄張ってジャケットも着ていないから、その、あれじゃない!


 具体的に言うのははばかれるが、移動中の時間の記憶はあんまりない、って事にしておく。うん。


 そんなわけで、グリフォンに到着してからもすぐに動けるわけでもなかった。単純に水着組がシャワーを浴びて着替えたかったんだが、グリフォン内に私室があるあたしとジェルはともかく、他の四人は一回戻ったホーネットが荷物を積んだコンテナが来るまで着替えられない。シャワーは浴びたので、人によっては眼福な光景かもしれないが。

 ちなみにジェルと先に着いていたギルさんはさっさとコクピットに行って、色々話しこんでいる体で女性陣から目をそらしている。それこそギルさんにとっては自分の仕える国の王女様の水着姿(露出が少なめとはいえ)は厳しいんだろうな。多分、今ジェルにその辺を愚痴っているような気がする。

 そして折り返し戻ってきたホーネットが荷物を持ってきたことで、全員が着替えたところでやっと落ち着いた。

 ちょっと時間が経ったので、艦内の備蓄で軽く食事にしてから全員で格納庫に移動した。

 ルビィと姫巫女ちゃんが手を取り合ったところで「手伝うのー!」って海竜の娘さんがいきなり現れて、そこに手を重ねる。あ、当然のようにサクさんも海竜さんもいるわ。

 後は思い思いにサフィにミスキスにハルカがルビィにしがみ付いたり抱き着いたりしてと、なんかモコモコしている。エアコン効いているから良いけど、外で空調機能のある服じゃなかったらそれなりに暑かったろうなぁ。

 ルビィの使える召喚魔法は自分の「存在」を代償とするのだが、人がこうやってくっつくと負担を分担できるそうで。

 あたしも、って思ってたんだけど、王女姉妹に、あたしはルビィと存在が近いらしく、何が起きるか分からないので止めた方がいいと言われている。

 久しぶりに使う魔力が視える「眼」に、ルビィの周りにモヤモヤする光が集まっているのが見える。

 ルビィの前に魔法陣が描かれて、光が立ち上る。目を閉じて集中していたルビィがカッと目を見開いた。


「タイガーさん、来て欲しいの!」


 呪文?に関してはもうちょっと雰囲気が欲しかった。

およみいただきありがとうございます

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