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飴と鞭 第6話

作者: 斉藤ひとみ

スナックに新しく入った男の人はバツイチで子供と離れたことを後悔していた。その人が何気なく私の頭にポンと手を置いて励ましてくれた。いつかの警察官の手と重なってホッとした。私を捨てようとしても家族は手放さないだろうと思っていた。程なく同棲をしだしたが、言っていた話はほぼ嘘で、暴力で支配されていった。外面が良いので誰も知らない。初めて妊娠した時にはおろしてくれと言われ、なくなく堕胎した。元嫁から連絡がきて会うからお前は取り敢えず実家に帰っていろ。私は子供をおろしたのにそんなのおかしいと思いながら言われた通りにするしかなかった。なのて次に妊娠した時には絶対に産むと決めていた。けれども元嫁からの連絡はそれきりなかった。やがて二度目の妊娠。母に言うとおろせと泣く。父はしょうがないだろう。縁を切ればいいだろう。と。そして子供が生まれた。生まれた子供にも暴力を振るった。赤ちゃんに本気で暴力を振るわないでと言うと俺の本気はそんなもんじゃないと私も殴られた。けれどもそろそろ分かる年だなって頃には手をあげなくなった。そんな中母が指の先端を切断してしまったとの事で呼び戻された。嫁に出してもやっぱり私をパシる。1ヶ月して必要なくなると旦那に迎えに来させる。そして月日は流れ私の父が亡くなった。二人目ができ、遺産で家を建てるとなった時にはいい人だった。俺も60までにはローンを払い終わりたいからな。約束としてパチンコはやめてとお願いしたのにあっさり破られた。1歳ごろになった息子と私が熱を出すとパチンコに行くために義母を呼んで自分は知らんぷり。やがて家には根にだけ帰ってくるようになり、息子にまたもや暴力を振るった。旦那の友達の奥さんから最近は女の子をダンプに乗せて仕事をしてるわよと。義母に相談したら逆にあなたが娘なら引っ叩いてやりたい。あーーお金も底を尽きてローンも払えない。銀行から電話がくると旦那は嫁がいないので分からない。あーー全て私のせいなの?心が壊れた。けれども精神科にかかったら子供と二度と会わせてもらえないんではないかってことはわかった。子供を抱えてどうしたらいいの?もう何をどうしていいのか、時間の経過も話す事もできなくなった。うすら笑いを浮かべる私に旦那はどっかの婆さんがカラスに餌をやってるんだよ。薄気味悪いよなー。遠回しに私を馬鹿にしている。そして実家に行くか?と母に迎えに来させた。優しいふりをして玄関の鍵を渡す時に車の鍵だけ外して渡された。後で分かったが、女に貸したのだ。

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