表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見参!スライムハンター  作者: だる飯あん
Part 1. 第1章 怒涛のダンジョン 編
6/290

6. スキル

まるでスライムの体表の様なツルツルな赤黒いタイツに首から上以外を包まれた雄太は、何故こうなったのか訳が分からずに自身の両手を眺めながら立ちつくした。



一体何なんだコレ・・・


コレが擬装スキルなのか・・・



雄太がスキルを意識すると、いつの間にか消えていた透明な板が再度雄太の眼前へと現れた。



─────

橘花 雄太 (25)


ユニークスキル:

【擬装】 (アクティブ)

-【収納】 (アクティブ) NEW

-【スライムスーツ】 (アクティブ) LV1 NEW

<スライムグラトニーベース> NEW

─────



「おい・・・」


何か色々と増えてるぞ・・・


もしかして、さっき指輪がコアを吸収したから増えたのか?


スライムスーツの横にLV1ってのがあるって事は、スーツはLVが上がっていくものなのか?



雄太が【スライムスーツ】と言う箇所へと意識を向けると、またしても横にポップアップが現れた。



─────

【スライムスーツ】 (アクティブ)LV1

<スライムグラトニーベース>

スライムグラトニーベースのスーツを発現させ、スライムグラトニーのスキルが使えるようになる。『解除』で指輪へと戻る。


・身体強化 (パッシブ)

・同族察知 (パッシブ)

スライム種を察知する事ができる。

・同族捕食 (パッシブ)

スライムのコアを問答無用で捕食してスーツのLVを上げ、捕食したスライムの能力を獲得する。

─────



ポップアップを読む限り、中々にぶっ飛んだ内容が書かれていた。


【擬装】へと【収納】と【スライムスーツ】と言う項目が増えており、その中でも【スライムスーツ】に記載がある<スライムグラトニーベース>の【同族捕食】はマジでヤバそうだった。



最弱のスライムの擬装でこの内容はマジでおかしくねぇか・・・


って言うかスライムグラトニーって何だよ・・・


他のスライムからスキルを奪う上にスーツのLVを上げるとか壊れすぎだろ・・・


確かにあの赤黒いスライムは異常な感じだったけど、まさかここまでヤバいヤツだったとは・・・


運良く倒せてマジでラッキーだわ・・・


って言うかあいつがこのままこのダンジョンでのさばっていたら一体どうなってたか想像も出来ねぇわ。


取り敢えず、このまま先に進んでスーツの性能を確認するか?



雄太は自分がマグレで倒したスライムの実態を知り、今更ながらに恐怖で体が震えてきた。


「取り敢えず、一旦【解除】。 おぉぉぉお!? スーツが消えたぞ!」


雄太が解除と唱えると、赤黒いスーツがスゥっと身体の中に染み込んでいく様にサッパリ綺麗に消え、元のTシャツ、ジーンズ、サンダルの格好へと戻った。


「そんで、【擬装】っと。おぉ!!スーツになった!!」



良かった。


ちゃんとオン/オフできる様だ。


あのスーツの格好のままだったらマジで恥ずかしいからな・・・


このスーツのままで外を歩いていたら、確実に変態扱いされて、警察に職質されるのは間違いない。


って言うか世間の目に殺されてしまうわ。


良かった良かった。


そんじゃ、スライムを狩に先へと進むか。


このスーツのままスライムを捕食すれば、スライムの能力を奪えるみたいだしな。



雄太はスキルが発現でき、しかもスーツのチカラでスライムの能力を奪えると言う事にテンションが上がり、ダンジョンに入って来た時とは別人の様に軽くなった足取りでダンジョンの先へと進み出した。


数メートル先へと進んだところに、早くも青いスライムがジュルジュルと音を立てながらゆっくりした足取りで地面を這っているのが見えた。


「おっ。スライム発見っ」


青いからアレは普通のスライムか?



スライムを発見した雄太は気配を消す様にゆっくりと静かに自身の手が届く範囲までスライムへと近付いて行き、恐る恐るスライムへと腕を伸ばした。


震える雄太の右手がスライムへと触れた瞬間、スライムの中で不規則に動いていたコアが、まるで掃除機にでも吸い込まれたかの様に雄太の掌の中へスッポリと収まり、掌の中のコアはお湯に浸かっている入浴剤の様にシュワシュワとしながら雄太の掌の中へと消えていった。


コアを雄太によって吸収されたスライムは、薄く青く透き通ったゼリーの様な、ゴムの様な塊だけを地面へと残して跡形も無く消え失せた。


「何だコレ?」


雄太が地面に残された塊を不思議そうに眺めていると、またしても声が聞こえて来た。



『スライムスーツニ新タナ能力ガ追加サレマシタ』



おい。


流石に早くないか?


スーツの能力ってのはこんなにポンポン手に入るものなのか?



雄太は早くも獲得できたスーツの能力を胡乱げに考えていると、眼前に透明な板が現れた。



コレもどうやって現れたり消えたりしているんだ・・・


消えろって思ったら消えるのか?



雄太が透明な板に消えろと念じると、透明な板は瞬時に雄太の眼前から消えた。


逆に出ろと念じると、先程と同じ様に眼前に現れた。



これってアレか?


漫画やラノベに出てくる、スキルボードってヤツか?



雄太は自身の思い通りに出したり消したり出来るスキルボードに少し嬉しくなり、獲得したスキルはそっちのけで暫く出したり消したりして遊んでいた。



おっと、そう言えば何か獲得していたな。


どれどれ



─────

橘花 雄太(25)


ユニークスキル:

【擬装】 (アクティブ)

-【収納】 (アクティブ)

-【スライムスーツ】 (アクティブ)LV 1

<スライムグラトニーベース>

・身体強化 (パッシブ)

・同属察知 (パッシブ)

・同属捕食 (パッシブ)

・スライムナイト:NEW

─────



スキルボードに【スライムナイト】と言う項目が増えていた。



スライムナイトって何!?


スライムって何種類もいるの!?


って言うか普通のスライムっているの!?



雄太はスキルボードに増えた項目の見慣れぬスライムの名前に対して驚愕した。



─────

【スライムナイト】

・硬化変形 (パッシブ)

スーツへ防具を追加

・衝撃吸収 (パッシブ)

─────



雄太はポップアップしたスライムナイトの項目を見た瞬間、思考が固まってしまい、スキルボードを見つめたまま動かなくなってしまった。


雄太が固まっていると、発現しているスライムスーツがモゾモゾ、ボコボコと気持ち悪い感じで蠢き出した。


「うわっ!?何だコレ!?キモっ!?」


スーツはまるで内側から何かが這って動いている様にモゾモゾ、ボコボコと蠢いており、雄太は蠢くスーツに嫌悪感を露わにしながらもどうする事もできずにただ立ち尽くした。


暫くすると、スーツの蠢きが収まり、上半身にハーフプレートの様なボディーアーマーの様なもの、腕には籠手やガントレットの様なもの、下半身はフィット感がなくなりダボついた感じになり、膝からつま先にかけてはニーハイブーツの様な角ついたブーツが現れた。


そのどれもがスーツとは違って艶が無く真っ黒であり、見た目は炭素素材の様にも見えた。



何か色々と凄いなコレ・・・


って言うかグラトニーヤバすぎだろ・・・


多分、擬装って取り込んだコアにつき1種類のモンスターの能力だけを発現させるんだよな・・・


それがグラトニーを取り込んだせいで、スライム限定ではあるが能力の際限が無くなってねぇかコレ・・・



雄太は全身タイツの様な格好から、誰が見ても凄そうな防具へと大きく様変わりした自身の格好とスライムグラトニーの異常さに驚いていた。



こうなったらスライムを狩りまくるしかないな。


多分この装備のおかげでスライムの攻撃は問題無く防げる気がする・・・


って言うか、グラトニーのせいで何処までこの擬装が変化するのか気になってきたわ・・・



雄太はスーツの変貌をみて、先の変化が楽しみになって来た。


「おし!」


このままガンガン次行くぞ!


って言うか何この塊?



今迄スーツに気を取られていた雄太は、地面に落ちている塊の事を思い出し、無造作に地面から拾い上げた。


「何だこりゃ?」


ブニブニしてゴムの塊みたいだな?


コレも素材なのか?取り敢えず持って帰っておばちゃんに聞いてみるか。


でもどうやって・・・


あっ!


そう言えば収納ってスキルがあったな。


スーツみたいに収納って思えば使えるのか?



雄太が【収納】について考えると、何故か収納スキルについての使い方が直感的に分かった。


雄太は直感に従って掌の上にあるゴムの塊の様なものを収納へと仕舞い込んだ。


すると掌の上にあった塊は跡形もなく消えてしまったのだが、雄太の頭の中にはその塊を収納へと仕舞い込んだと言う感覚があった。


その感覚に従ってスキルボードを出現させて収納の箇所を意識してみると、スライムスーツと同じ様に横にポップアップが現れて、そこには『スライムゼリーx1』と言う項目があった。


「あぁ〜。そう言う事ね」


頭の中でも収納したものがわかるけど、スキルボードで収納したものの詳細や個数とかが分かるって訳ね。


マジで便利なスーツだわ。


って言うか、スライムゼリーって言うのかコレ・・・



雄太は気持ちを切り替えて次のスライムを探す為に歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公はこれからだ!希望が見えました。 部分的にスーツを展開できればええ感じの靴になるかも。 または、普段着も余り無さそうな主人公には、これで着替えが増えるかも。 [気になる点] 話の展開…
[気になる点] 25歳の元社会人がハロワにサンダルで来たの? 革靴とまでは言わないがせめてスニーカー履かせよう、別にサンダルにこだわる設定でもないだろうに。 現状、脱税(疑惑)してゴミ拾うだけなのにな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ