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見参!スライムハンター  作者: だる飯あん
Part 1. 第1章 怒涛のダンジョン 編
45/290

45. 鬼VSスライムゴーレム

巨大な人の形を成したストーンスライムの大きな咆哮は、少し離れている場所にいる雄太の耳へも聞こえ、雄太は汽笛の様な咆哮が聞こえてきた方角へと無意識に顔を向けた。



「うわぁ〜。 ナニあの腹の底に響く様な咆哮・・・  アレは餓鬼じゃ厳しそうかな・・・ 俺が殺るか?・・・ いや、餓鬼を大鬼にすれば対処できるか?・・・ オマエ達、スライムゴーレムがいる所に集合! そんで10体ずつで纏まって大鬼に変形してスライムゴーレムを対処しろ」



雄太は大鬼でどこまで対処できるのかが気になったので餓鬼達へと向けて指示を出し、餓鬼達は雄太の指示に従って、直ぐにスライムゴーレムがいる箇所へと集まりだし、10体ずつで纏まって紫色の金棒を手にしている2体の緑色の大鬼へと変形した。


2体の大鬼は軽く2mを超えてはいるがスライムゴーレムよりは小さいく、それを見た雄太に少し不安が残る。



『お〜い。 エルダ〜。 ちょっといいかぁ〜?』


『なぁ〜にぃ〜?』


『今の状況把握できてるか?』


『大丈夫だよ。 餓鬼の視覚はわたしにも共有できてるから大体は把握できてるかな?』


『そうか。 それでだな。 餓鬼を合体させて2体の大鬼にしたんだが、スライムゴーレムに比べたら少し物足りないかな?って思ってな。 オマエはどう思う?』



雄太は2体の大鬼に感じた事をエルダへと伝える。



『そうねぇ。 大鬼だとスライムゴーレムの攻撃は防げないかな? なんて言うか、堅さが柔い感じ?』


『あ、そうか、ソレか! そんじゃ2体の大鬼に土龍を付与して堅くしてくんね? そうすりゃなんとかなんだろ?』


『いいけど、なんでユータが直接行かないの?』


『だって面倒くさいじゃん』


『躊躇なく即答で面倒くさいって言いきるとか、ユータってほんとクズね』


『クズって言うなよ!? 他にもっと言い方があんだろうぉが!? 面倒くさいって言うのは、今、俺はこの階層のマッピング中なんだよ! しかも良い感じで綺麗にマッピングできているのに、それを途中で止めて違う方向にいるスライムゴーレムの所に行くとか面倒極まりないだろ!?』


『はいはい。 もうそれでいいから。 ほい。付与したよ』



エルダは雄太の言い訳を聞く気はなく、話を聞き流す様にササっと2体の大鬼へと土龍を付与した。



『クソ! オマエ覚えてろよ!!』



雄太はそう言ってエルダとの会話を切った。


そうこうしている内に、スライムゴーレムと対峙している2体の大鬼の体表がみるみると黄色へと変わっていき、プヨプヨとしていた見た目が岩の様にガッチガチで硬質な見た目へと変貌していく。


手にしていた紫色の金棒も、堅そうな緑色へと変貌し、スライムゴーレムを意識してなのか、紫の毒の金棒から溶解の緑の金棒へと変わっていた。



「あ、こりゃ勝ったな」



雄太は走りながらディスプレイ越しに2体の大鬼の変貌した姿を観た瞬間、属性を付与して変貌した大鬼はヤバイと言う事が分かった。


変貌した2体の大鬼は、何処ぞの野球部の様に手にしている金棒でブンブンと野球スイングで素振りをしだし、素振りをした後は金棒を肩に乗せてオラついた感じの足取りでノッシノッシとゆっくりとした足取りでスライムゴーレムへと無防備に近づいて行く。


スライムゴーレムは、無防備で左右から近づいてくる2体の大鬼へと向けて大振りに薙ぎ払うかの様に巨大な右拳を外側から内側へと向けて振り回す。


左にいた大鬼はスウェーで後ろへと顔をずらしてスライムゴーレムの拳を躱したが、右にいた大鬼は大振りで振られたスライムゴーレムの拳をモロに顔面へと受けた。




ドガっ!




スライムゴーレムの拳を顔面でモロに受けた大鬼は、殴られても吹き飛ぶ事もその場から動く事もなくピクリともせず、己の顔面でスライムゴーレムの巨大な拳を難なく受け止める。


顔面でスライムゴーレムの拳を受け止めた大鬼は、そのままスライムゴーレムの元へと近づき、自身の間合いに入った瞬間に野球スイングでスライムゴーレムの左脇腹へと金棒を打ち付けた。




ドゴンっ!




大鬼に金棒で殴られたスライムゴーレムは、ズズっと身体を地面からずらして体勢を崩し、金棒で殴られた箇所はまるで溶けたかの様にその部分がゴッソリとなくなっていた。


スライムゴーレムが金棒で殴られて体勢を崩して片膝をついた瞬間、今度は反対の方向から別の大鬼によって金棒で頭をフルスイング殴られる。



ドガっ!



金棒で殴られた頭の部分も脇腹と同じ様に溶けたかの様にエグられており、頭を殴られたスライムゴーレムはよろめきながら体勢を前へと崩して両手両膝を地面へと着けた。


スライムゴーレムが両手両膝を着いたのを良い事に、2体の大鬼はスライムゴーレムを何度も何度も激しく金棒で殴り始める。



「・・・・・・」



その光景を観ていた雄太は、この状況に対して何と言って良いものかと言葉が全く出てこなかった。


雄太のモニターに写っている2体の大鬼の視界には、両手両膝をついてただただ殴られまくっているスライムゴーレムの姿が映っている。



「・・・デジャブかよ・・・」



しかし、周りからはどんどんとストーンスライムがスライムゴーレムへと集まって融合しており、スライムゴーレムは殴られて体積を減らしている側から即座に身体を修復させていく。



「こりゃ、確実にジェネラルがいるな・・・ この階層中のスライムがどんどん集まりだしているぞ・・・」



どんどんとスライムが集まって来ているスライムゴーレムの体内には、雄太が1層で戦った事があるスライムジェネラルがいる事が見て取れた。



「コレは本当に俺が行かないとマズいか?」



雄太は走りながら観ている2体の大鬼の状況に対して少し心配になり始める。


スライムゴーレムと戦っている2体の大鬼は、1体がスライムゴーレムをボコり、1体が寄ってくるスライムの群れを叩き潰しながら吸収して対処を始める。


寄ってくる無数のストーンスライムに対応が追いつかなくなった大鬼は、急に対応を諦めたのかの様に金棒をだらりと下げて棒立ちする。



「オイオイオイオイ!? 何やってんだよ!? 早くスライムの群れを食い止めないとスライムゴーレムが今以上にデカくなるぞ!! クソ!? 俺はオマエをそんな子に育てた覚えはないぞ!!」



雄太は棒立ちしている大鬼を観て、コレは本当に自分が行かなきゃならないのかと言う思いと共に少しイラつき始める。


しかし、棒立ちしていた大鬼は、いきなり身体をグニャグニャと変形しだし、まるで人間の成人男性と同じくらいの身長まで縮みだした。


身長を縮ませた大鬼は、身長を縮ませた分の体積を利用して背中へと4本の赤腕を発現させ、4本の赤腕と手にしている金棒を使ってスライムの群れを悠々と対処しだした。



「おぉぉぉぉぉぉ!? そう来たかっ!?」



雄太は大鬼の意外な変形に驚き、赤腕を発現し、身体を小さくさせた事によって小回りが聞く様になった大鬼、いや、鬼人の動きに感心した。


鬼人は軽やかな動きで赤腕と金棒を使って集まってくるスライムを対処し、片方の大鬼はそのままの大きさでスライムゴーレムとガチンコで殴り合って対応し、お互いの役割を分かっているかの様になかなか良い感じのコンビになっていた。


集まってくるスライムを吸収している鬼人は、スライムを吸収していく度にどんどんと赤腕の数を増やしていき、今や赤腕の数は10本へと増えていた。



「クソ!? 俺より赤腕を扱える数が多いだと!? ウラヤマ、いや、けしからん奴め!!」



モニターで鬼人を観ていた雄太は、自分以上に赤腕を扱えている鬼人へと嫉妬する。


鬼人と大鬼のコンビはだんだんと勢いが増しており、鬼人は1本の赤腕を大鬼へと伸ばし、自身が吸収したスライムを大鬼へと共有し始め、大鬼は手にしていた金棒を自身へと吸収し己の両腕を肥大化させた。


肥大化された大鬼の両腕は溶解の緑色に染まっており、その肥大化したガントレットの様な両拳でもってスライムゴーレムを直に殴り始める。


両腕を肥大化させた大鬼は、肥大化して面積が広くなった両拳を使ってスライムゴーレムをゴッゴッと殴りながらどんどんとスライムゴーレムの体積を削っており、しかも大鬼の両拳には質量追加が掛かっているらしく、見た目以上の重さの拳で殴られているスライムゴーレムは、右左へフラフラと巨体を激しく揺らす。


横でスライムの進行を食い止めている鬼人の赤腕は、さらに増えて20本へと達しており、逆にストーンスライムは、3層中に個体がいなくなったのかの様にスライムゴーレムの元へとやってくる数を減らしていき、鬼人は、スライムゴーレムの元へと集まって来る全てのストーンスライムを吸収し尽くしたのであった。


一方、大鬼に容赦無く殴られて吸収され続けていたスライムゴーレムは、大鬼によって手足を吸収されて失っており、大鬼は無防備になったスライムゴーレムの胴体を両手を広げて抱きつく様にしてバキバキと潰しながらその身へと吸収した。



「・・・マジでやっちゃったなアイツ達・・・  って言うか、ぶっちゃけガーディアンより強ぇんじゃねぇのかあのコンビ・・・ そんじゃ、勢いに任せてこのままガーディアンの所まで行ってしまいますかぁ」



ある程度のマッピングを終えた雄太は、鬼人と大鬼に雄太の元へと向かう様に指示を出し、火山へと向けて走り出した。



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