128. 色々と意味が分からない
雄太が発現させた膨張は、ダンジョンの壁際へと向かって左右に伸びていき、壁際にびっしりと生えている紫の蒲公英をむしりとる様に吸収した。
『スライムスーツニ新タナ能力ガ追加サレマシタ』
雄太が蒲公英を吸収すると、スキルの追加を知らせるアナウンスが聞こえてきた。
(・・・やっぱり、あの人型の気味が悪い根をしたタンポポはスライムだったのかよ・・・マジで一体なんだったんだ・・・)
雄太は、自身のディスプレイに映るアイコンが指していた、あの気味の悪い蒲公英がスライムと言う事を信じられず、同属捕食で吸収できた事でアレがスライムだったと言うことが信じられた。
(あんなんスライムじゃねぇだろ・・・どう見てもタンポポとその根っこだったぞ・・・一体どの部分がスライムなんだよ・・・スライムダンジョンには岩みたいなヤツもいたから、アレは植物系のスライムってことなのか?)
雄太は未だに信じられないと言った様な顔で赤腕によってどんどんとむしり取られていく紫の蒲公英を見つめた。
(そんじゃ、マジでどんなスライムか気になるからステータスで確認するか)
雄太は気になって仕方がないと言った様な感じで、急いでディスプレイへとステータスを表示させた。
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橘花 雄太(25)
ユニークスキル:
【擬装】 (アクティブ)
-【収納】 (アクティブ)
-【超越】 (パッシブ)
-【並列思考】 (パッシブ)
-【スライムスーツ】 (アクティブ) LV 151
<スライムグラトニーベース> リミット解除
・暴食 (アクティブ)
・身体強化 (パッシブ)
・同属察知 (パッシブ)
・同属捕食 (パッシブ)
・スライムナイト:硬化変形 (パッシブ) 衝撃吸収 (パッシブ)
・スライムソルジャー:斬撃変形 (パッシブ)
・スライムメイジ:膨張変形 (アクティブ)
・スライムスナイプ:狙撃変形 (アクティブ)
・スライムジェネラル:統率変形 (パッシブ)
・アーススライム:アースエンチャント (パッシブ) 土属性耐性 (パッシブ) 質量追加 (アクティブ)
・エルダースライム:意思疎通 (パッシブ) 造形変形 (アクティブ)
・アシッドスライム : 溶解 (アクティブ) 溶解耐性 (パッシブ)
・ポイズンスライム : 毒爪 (アクティブ) 毒耐性 (パッシブ)
・ウォータースライム : ウォーターエンチャント (パッシブ) 水属性耐性 (パッシブ) 槍棘 (アクティブ) 分離 (アクティブ)
・ファイアスライム : 燃焼耐性 (パッシブ)
・ラヴァスライム : 熱耐性 (パッシブ)
・ストーンスライム : 石化耐性 (パッシブ)
・フレアスライム : フレアエンチャント (パッシブ) 火属性耐性 (パッシブ) 爆炎 (アクティブ) 自爆 (アクティブ)
・バルーンスライム : 浮遊 (アクティブ)
・エアロスライム : エアロエンチャント (パッシブ) 風属性耐性 (パッシブ) 偽核作成 (パッシブ) 一点突破 (アクティブ)
・スライムグラトニー (改) : 全状態異常耐性 (パッシブ)
・チェインスライム : 縛鎖 (アクティブ)
・デビルスライム : 寄生変形 (アクティブ) 浸食 (アクティブ) 傀儡 (アクティブ)
・ダークスライム:ダークエンチャント (パッシブ) 闇属性耐性 (パッシブ) 隠密 (アクティブ)
・スライムマンドレイク:NEW
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(スライム・・・マンドレイク・・・マンドレイクってあの物語とかでよくある伝説的なあのマンドレイクなのか?・・・確か、アレだよな?引っこ抜いた時にマンドレイクの声を聞いたら死ぬとか、発狂するとかって感じだったよな?)
雄太は新たなスキルの名前に疑問や興味を持ちながら、スライムマンドレイクの箇所をタップして概要をポップアップさせた。
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【スライムマンドレイク】
・錯乱の歌 (アクティブ)
錯乱の歌使用時に声を発すると、その声を聞いた者は思考が鈍り無意味な行動をとる。
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「・・・・・・」
雄太がポップアップさせたスライムマンドレイクの概要は、雄太が思っていたモノと近くて遠い様なスキル効果だった。
「無意味な行動をとるってなんだよ・・・名前に錯乱って付いてんだから、そこは錯乱させろよ・・・」
雄太はポップアップさせたスキルの概要を見て思わず口に出してツッコんでしまった。
「しかも無意味な行動って括り、どんだけ広くて多いと思ってんだよ・・・あまりにも雑すぎるだろこのスキルの効果・・・」
雄太は全く効果が想像できない雑すぎるスキルに対して呆れてしまった。
「暇つぶしにはなったが、何なんだよこのネタ的なスキルは・・・マジで何度か使って検証してみないと、こんな酷く雑なスキルとか怖くてマジで使えねぇぞ・・・って言うか、パッシブスキルじゃなくてマジで良かったわ・・・こんなのがパッシブだったら、誰も俺に寄ってこなくなるところだったぞ・・・」
雄太は雑すぎて恐ろしすぎる【錯乱の歌】と言うスキルに対し、心から恐怖してしまった。
『シス。この新しいスキルの効果って分かるか?』
雄太は、雄太のスキルを管理しているシスへと【錯乱の歌】の概要にある”無意味な行動をとる”と言う効果に付いて試しに聞いてみた。
『マスター。申し訳ございませんが、私でも【錯乱の歌】の効果については全く把握できておりません。なんといえば宜しいのか・・・効果について把握しようとしますと、まるで白紙の様な、はたまた、沢山の文字が幾重にも重なりあって真っ黒になっている様な感じとなり、無いのに有る、有るのに無いと言う様な状態で、このスキルのカケラについても情報についても全く詳細が掴めません。申し訳ございません』
雄太のスキルを管理しているシスですら全く把握ができない未知なる効果を秘めているこの【錯乱の歌】と言うスキルは、雄太が思う様に雑すぎて、見えない何かに恐怖すら感じるスキルだった。
「いや、大丈夫だ。こんな無意味な行動なんて雑すぎる効果をシスが全て分かってたら、俺は逆に引いていたかもしれん。コレは本気で検証が必要そうだな・・・」
雄太が【錯乱の歌】について考えている間に、背中から伸びている赤腕は紫の蒲公英を全てむしり終えており、雄太は赤腕を解除して先へと進むことにした。
(なんか、ヤバイもんを拾ってしまった感じがするが、とりあえず先に進むとするか・・・)
雄太は【錯乱の歌】について考える事を一旦思考の片隅へと寄せ、ダンジョンの先へと進むことにした。
『シス。4層のマッピングはどうだ?』
『イエス。マスター。5層まで続く階段まですでに終わっております。ディスプレイへと順路を表示いたします』
『あぁ。頼む』
雄太はシスによってディスプレイへと表示された矢印に従い、急ぐ様に走り出した。
3層を走り抜け、4層へと続く階段を降り、あっという間に4層へと到着したのだが、4層も上の階層と同じく、なんの代わり映えもない洞窟の様な鍾乳洞の様な通路が伸びているだけだった。
しかも、先行している寄生によって全てのモンスターが駆逐されており、雄太はただダンジョンの中を走るだけとなっていた。
(俺って、なんかダンジョンに走りに来ただけの様な気がして来たわ・・・4層はもう少し動いてみるか・・・)
と言う事で、雄太は身体強化が上がったスライムスーツの性能を試す為に、4層は走ったり飛んだりとダンジョンの壁や天井、地面を縦横無尽に走ったり飛び跳ねたりと、まるでランダムに壁や天井、地面へとぶつかって跳ねていくボールの様な動きをしながら5層へと続く階段まで進んで行った。
5層へと続く階段まで到着するまでに動きまくっていた雄太は、流石に身体を動かしすぎたのか汗だくとなっており、雄太は収納から取り出した水を飲みながら、休息を取る為に階段の横へと水龍で作ったソファーを発現させて腰を下ろした。
「ふぅ〜。アレだけ動いてもあまり疲れはないな。さっき見たステータスもスライムスーツのレベルが151とかってなってたし、スライムスーツを限界まであげると、俺って一体どうなんだろうな・・・」
スライムスーツの成長の効果により、すでに人間を辞めている様な動きをしている雄太は、さらにスライムスーツのレベルが上がった時の状態が全く想像ができず、さらなる進化が望めるワクワクと、人間を完全に辞めてしまうのではないかと言うドキドキが入り混じったなんとも言えない感情が湧き上がって来た。
「まぁ、コレばかりは今から考えてもしょうがないな。そん時はそん時でなんとかなんだろ・・・」
ペットボトルの水を飲み干した雄太は、ゴミを収納へとしまいながら水龍のソファーから立ち上がり、発現を解除して5層へと降りる準備を始めた。
『おい。鬼共。今から5層に行くが、出たいか?』
『出たいですが、主にお任せします』
『我も主次第です。必要であれば我達を如何様にでもお使いください』
雄太の質問に対し、鬼達は出たいと言う自分の感情を躊躇なく殺せるくらい雄太へと忠誠があり、雄太はスライムマンドレイクの時に発現させた糞みたいな態度のエルダと全く違うことに少し嬉しくなった。
『そんじゃ今から最下層のモンスターと戦うから発現させるぞ』
『『御意』』
雄太によって発現された鬼達は、これからモンスターと戦う為に完全武装の姿で片膝をつけて雄太へと向かって頭を下げており、ラセツの腕にはガントレットが、ヤシャの両手には細い金棒が握られていた。
「おし。んじゃ行くぞ!」
「「はっ!」」
雄太と鬼達は、5層へと続く階段を降りていき、特殊ダンジョン特有の神殿の様な巨大な柱が立ち並ぶだだっ広い空間へと降り立った。
「相変わらず、まったく同じ様な造りしてんな5階層は・・・とりあえず、赤腕っと」
雄太は相変わらずな造りになっている5階層を見て感嘆しながら両腕へと赤腕を発現させた。
『シス。寄生をばら撒いて、地面へと膨張の結界を張れ』
『ロジャー』
赤腕を発現させた雄太は寄生をばら撒き、足元から地面へと膨張を広げて結界を張った。
準備が整った雄太は、薄暗く光る広大な広場を前へと進んで歩み始めたのだが、まるで闇が晴れるかの様に雄太の目へと太い幹と青々とした葉を大量につけた巨大な樹が姿を現した。
「なんでこんなとこにこんなクソデカい樹があんだよ・・・」
雄太は姿を現した樹に対して意味が分からない、怪しすぎだろと言った様な胡乱な視線を向け、最大限に警戒し始めた。
嬉しいことに、★もブクマも順位も全く気にせず無視しまくって作者が好き勝手に書いている本作へと新たなレビューをいただけましたwwww
作者の自己満足的な、自分で読みたい作品を勝手に書いて自分で読んでいるだけの本作に対し、ここまで評価してくれるの!?マジかよ!?逆に申し訳ないわ!!と言った素晴らしいレビューを頂け本当にありがとうございます!
今後も皆様が楽しくお読みいただける?
いや、違う!
作者自身が楽しく読める様な作品を書いていきますので、
引き続き楽しくお読みいただければです!
あ、それと、本作は作者の自己満足的な作品なので、★とかブクマをしてくださっている方々へと嬉しく思う反面、逆に謝りたい気持ちでいっぱいですwwww
ってことで、とりあえず一回謝っておきます。
スンマセンです!




