とある会話 8
A「いやあ、もう300日過ぎたのかな?早いね」
B「カプセルが自動的に開くから、それまでは
全くもって闇の中だよ」
C「しかし、これ、本当に冬眠カプセルなの?」
D「カプセル装置に入るとすぐに眠くなり
意識を失ってしまう。カプセルが開き
目覚めた時には、解凍装置の影響か、
肌寒い感覚があるだけだね」
E 「つまり何年間か、冬眠してたってこと」
F 「そんなうまい話、あるわけないんじゃない
かな?」
G 「そもそも いくらなんでも、SF映画のような
装置を作れるはずがない。技術的に、まだ
無理だろう」
H「ひょっとして、このカプセルが冬眠カプセル
じゃないとか、言いたいわけか? ハハハ、
疑いすぎだよ」
I「前回までの地球との連絡通信を思い出してみて
ほしい」
J「何を思い出すの?」
K 「ああ、そうか。毎回、スクリーンに映し出され
ているのは、地球からのメッセージだけだ。
大丈夫ですか?変わりはないですか?
地球側の人間の姿が、1回も確認できない
やり取りなんだ」
L 「そして、人物確認できないということは、
もちろん、地球側の音声も確認できていない」
M「おいおい、何の話なんだよ?何を疑ってるんだ
?メッセージがスクリーンに表示されるだけ
てのが、引っかかってるみたいだね」
N「やはり、気になるな」
O「連絡通信日を前に、もめてるのか?」
P「何か、裏があるとは思わないか?」
R「裏って、何だい?あれから300日後だよね?」