とある会話 56
Z「 偽装冬眠カプセルの副作用が効いてきたか?
少し感情的になりすぎじゃないか?
F君、まあ、落ち着きたまえ」
F「みんなは、どうした?みんなに何をした!」
Z「どうだ?F君、改めて私から君へ1つ
提案したい。みんなの話は、その後でも
良かろう?」
F「提案だと?」
Z「 そうだ。提案だ。私は、君の能力を高く評価
している。どうだろう?まもなく、常駐部隊が
到着し、任務を交代する。予定では、私1人が
帰還することになっていたが、F君、私の
部下となり、ともに地球へ帰還しないか?」
F「あんたの部下?」
Z「 そうだ。私から司令部には説得するつもりだ。
必ず君は、わが国の世界制覇、覇権掌握に
貢献する人物になると思う。
F君、どうだ?」
F「断る!」
Z「 幻覚剤が効いているはずだから、言語誘導に
より、そう何度も、私の願いを君が断ることは
できないはずだ。よく考えておいてくれ。
あとでまた同じ質問をする。
君は、私と帰還用シャトルに搭乗さえすれば
母国から新たな仕事を与えてもらえるんだぞ?
私が司令部に取り計らいをしてあげようと
言っているんだ。良かったじゃないか!
君は、命拾いをしたのだ。私のおかげだよ
アッハッハハハ! ワッハッハハハ!」
F「命拾い? みんなは、どうした?
仲間たちも、ともに帰還できるのか?」
Z「 いや、それは不可能だ。他の者たちは
このステーション内に、もういない。
帰還するのは、当初の予定通り私1人と
そして特別に、私の取り計らいで、急きょ
追加搭乗が決まった君だけだ」
F「 なぜ 仲間たちは一緒に帰還できないんだ?
みんなは、どこにいるんだ!答えろ!」