とある会話 51
F「お、お、おとり?」
Z「 ああ。オトリだ。私以外の25人は全員が
オトリだ。出発前に、他国から感づかれない
ようにする為だ。選抜されたメンバーが、
丸々信じこんでいれば、さすがに怪しまれる
ことはあるまい。情報の漏洩も防止できる。
そして、連絡通信日に関しても同じことだ」
F「通信は?なぜできなかったんですか!」
Z「 分からないか?他国から傍受されることを
最初から警戒していたからだ。出発前から
司令部から私は指示を受けていた。通信は
しない、と。連絡通信機能は遮断されている。
他国にステーション内の様子を把握されない
ための防御手段だ。苦労したよ。君たちが
通信できないことを随分と大騒ぎしたからな。
私は、苦心に、苦心を重ねた。連絡通信機能が
元から遮断されていることに気がつかれたら
計画が全て破壊されてしまう。だから、通信に
関して意図的に担当を設けた。
計画を進行させるために、担当者が異変に
気づく前に1人ずつ消すことにした。
あくまでも、それは、アキレスと亀状態となり
空間と時間を移動したと説明することにした。
君たちは、きわめて賢かったよ。なかなか
信じようとはしなかったからな。フッ(笑)
ほら、スクリーンを見たまえ。
私が今、この手に取り出した小さな物が
見えるか?このボタンを押すと」
----------(スクリーン画面)------------
-ダイジョウブ デスカ?-
-カワリ ハ ナイデスカ?-
-ガンバッテ クダサイ-
Z「ほら、な? て、ことだよ」
F「な、なぜ、そんな嘘をでっち上げた?
仲間を、みんなを、どうした?」