とある会話 48
Z「 現実とは?現実とは、君にとって
どういうものだ?何だと思うか」
F「 ゼ・・Zさん?僕にはあなたの
話が理解できません。今、私たちは
アキレスと亀状態になり、3密解消実験に
成功しているのではないのですか?」
Z「 現実とは何だ?F君、君が真実の探究に
熱心な人物だと判断したからこそ、私は
君の能力を評価して、君に質問している。
答えてくれ。君にぜひ聞いてみたかったんだ。
だから今、君はこうして私の前でわずかばかり
の時間を与えられているんだ」
F「 Zさん、あなたのお話されている意味が全く
理解できないです。僕の質問にも答えて
下さい。今、ここにいる僕は、
アキレスと亀状態ではないのですか?」
Z「 はっきり言おう。君は、
残念ながら、アキレスと亀状態ではない。
そして、もちろん、この私もだ」
F「 そ、そんな・・・。じゃあ、他の仲間たちは
一体どこへ?」
Z「 もっとはっきり伝えよう。他の仲間たちも、
もちろんアキレスと亀状態になど、なっては
いない。先ほども説明したように、銀河系の
中心部にいるかもしれないエイリアンと同じ
装置で、この広大な宇宙空間を
われわれの細胞の成長を変化させることに
より、生命体側から捉える時間の流れを
遅らせて、われわれの細胞を長寿化する
技術など、全く持ち合わせていないんだ。
残念ながら、今のわれわれの科学技術には
存在しない。不可能だ。そのような
冬眠カプセル装置の開発がもし仮に
可能になる日が来るなら、それは
遥かかなた先の未来になると思う。
それがいつになるか、私には分からない。
だが、やがては、必ず地球人も実現する日が
来るだろう」
F「 一体、どういうことなんです?
このステーションで実際には
何が起きていたんですか?」
Z「 F君、君は他のメンバーと同じなんだ。
真実を知らされないまま、ここへ
やって来たんだよ。君たちが真実だと
国の司令部から聞いた内容は、真実では
ない。分かるか?ここで君らが感じていた
疑問や不安は、100%正しかった」
F「 じゃあ、他の仲間たちは?どこなんです?
どこにいるんです?真実は?真実は何だったの
ですか?教えて下さい!あなたは、みんなに
嘘をついたんですか!」