とある会話 43
C「ごちそうさまでした」
E「気分転換できた」
F「もし、次に自分がアキレスと亀状態になって
仲間たちから離れてしまった場合は、基本的に
どう心がけていれば良いですか?」
Z「 みんな、飲みながら聞いてくれ。今
Fさんから良い質問が出た。この後
任務継続のため、冬眠カプセルに入る。
もし、自分がはぐれてしまったらどうすれば
良いか?答えは、そのまま普通にステーション
内で今まで通り滞在してくれということだ。
もちろん、自分自身の体調管理をする場合に
自己判断で冬眠カプセルで体力を温存し、
細胞寿命を回復させる必要が出てくる。その
際には、恐れずに、冬眠カプセルに入り自分
自身の生命力を自己メンテナンスして欲しい」
G「その場合は、何日間に設定すれば
良いですか?」
Z「 個人の疲労度にもよると思うが。基本は
今まで通り、毎回300日間隔で冬眠すれば
生命力は温存できると司令部から聞いている。
だが、この様な事態が生じることは、わたしは
全く想定していなかった。体調の不具合も
各々出始めていると思う。おそらく
冬眠カプセルを多用することによる何らかの
症状なのかもしれない。よって、この先
アキレスと亀状態に陥り、孤独から抜け出せ
なくなった場合には、300日間隔による冬眠
設定にこだわらず、自己判断で冬眠日数を設定
してもらいたい」
K「 たとえ自分1人だけの状態になったとしても
やがて来るであろう地球からの救援を
待ちながら、そのまま滞在を続けていれば
良いんですね?」
Z「 再確認なるが、その通りだ。地球側に
この装置の解除方法があると仮定している。
われわれは、その救援、つまり、任務完了の
合図が来るのを待つしかない」
L「 ご馳走さんでした。少しだけですが、飲めて
良かったです。ずっと気が張りつめていたから
気分が良くなりました」
M「 我慢というのは、積み重なると、本当に
ストレスになりますね。アキレスと亀の
話など、考えたこともありませんでした」
N「この装置のおかげで価値観が逆転しました」
O「作り話じゃなかったんだ」
P「こうやって三密解消するなんて
思いもしなかったよ」
Z「サンタクロースは?」
R「サンタクロースがどうかしたんです?」
Z「サンタクロースがいると思ってただろう?」
S「子どもの時は、そうですね」
Z「 天動説は?太陽が、地球の周りを回転している
と思っていた時代があっただろう?」
V「結局、地動説が正しかったんだ」
X「地球が、太陽の周りを回転していたのさ」
Z「月はどうだ?うさぎが餅をついていたか?」
Y「 ビールごっそうさんです。
えーと、月には、うさぎは、いなかった」
Z「 じゃあ、アキレスと亀は?わたしが答えよう。
アキレスと亀の話は作り話ではなかった。
おそらく、この装置を改良し、はるかに
優秀な装置を銀河系のエイリアンが普通に
活用しながら宇宙空間を移動していても
驚かない時代がやって来ようとしている。
まあ、それは、地球人からすれば、はるか
かなたの遠い未来にしか実現できないかも
しれないが。この装置は、新しい宇宙時代を
先駆ける発明品だ。みんな、胸を張り、
誇りをいだいて、今から冬眠カプセルに
入ろうではないか?
では、300日後に会おう。ここにいる全員の
健闘と幸運を祈る!」
(全員)「おうっ!」
(カプセル始動の静音)うぃ〜ん うぃ〜んうぃ〜ん
------- 冬眠カプセル始動 ----------




