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コロナ  作者: 異世界ワトソン
33/63

とある会話 33

P「まさか! 大丈夫ですか、Zさん?

 わたしたちは、こうして300日という地球時間を

 共通に設定している冬眠カプセルに入り、

 同じ日に起床しているじゃないですか?そして

 今、ここにいるこのわたしには、時間が停止

 している感覚など少しもありませんよ」


R「Zさん、いったい何を言ってるんだよ。

  アキレスと亀状態になった?何だよそれ」


S「みんな起床日には、同時にカプセルが開いて

  起きているのはどう説明するんだよ」



Z「良いかい?少しずつ、少しずつ、細胞の停止に

  かかる時間と300日休止したのちに、細胞を

  解凍するのに要する時間の個人差が微妙に

  拡大して差が大きくなってしまったとしたら

  どうだろうか?」


V「どうだろうか?だろうかって、それを

  こっちが知りたいんです」


Z「 細胞を全て解凍し終わったと判断するのは

  冬眠カプセルの人工知能だ。処理が完了した

  と人工知能が判断した瞬間にカプセルの扉が

  開くんだよ。つまり同じ日に起床した様に

  われわれが思っていても、消えた仲間たちは、

  われわれよりも実際には、数分、数時間先

  に起床していたとしたら?

  さらにこの冬眠カプセル生活を何度も

  繰り返すうちに、その時間差が何日もあるいは

  何か月もの開きになってしまったとしたら

  どうだろか?」


X「どうなるんですか?まさか先に起床した

 仲間のことを認識できなくなるとか?」


Z「細胞の凍結作業と解凍作業にかかる個人差が

 完了時間の差となり、カプセルが自動的に開いた

 時間が大きな差となっている可能性がある。そし

 てそこに、度重なる解凍作業によって300日

 間隔での全細胞停止と実際に起床した

 後に脳細胞が認識する時間感覚が、地球での

 リズムと全く異なる変化を受けたことによって

 無限の時間を生きる様な意識に変わってしまった

 と思うんだ。その時間の中にいるわれわれには、

 気がつくことはできないのだと思うんだ」


Y「うわあ〜。何だそれは?みんな聞いたか?

  俺たちは無限の中にいるってさ!

  俺たちは、有限ですよ、Zさん。時間差が

  できたとしても、先に起床した仲間が認識

  不可能だとか、見えないとかそんなこと

  絶対にありませんよ。なあ、みんな、そうだろ

  う?どうしちまったんですかZさん」


Z「みんな、頼む、協力してくれ。それぞれの

  冬眠カプセルに入るだけで良い。300日後に

  また会おう。わたしの仮説が正しいか、それで

  分かる」

  

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