とある会話 31
C「あれ?Fさんがいない」
E「えっ?ほんとだ。どこ行った?」
G「まさか、消えたか?」
K「さっきまでZリーダーの話聞いてましたよ」
L「確か 途中で通路へ向かって行ったと思うが」
M「もしや 自分だけ 帰還用宇宙船に搭乗しに
行ったのかな?Fさんはそんな人柄とは正反対
だからな。どこへ向かったんだろうか?」
N「真実を知りたがっていたからな、Fさんは」
O「あ、Fさんだ。戻って来たぞ」
P「Fさんどうした?」
F「えっ?どうかしました?」
R「どうかしましたって、Zさんの仮説を
みんなで聞いてる途中で、いきなり姿
消すなよ。1人で帰還用宇宙船の接続場へ
向かったのかと思ったよ。どうした?」
F「わたしはそんな自分だけ抜けがけして
仲間を残して地球へ逃げる人間じゃない
ですよ。そんなことしたら国からひどい目に
合いますよ。後先考えず1人で勝手に脱出する
わけないです。国から処分されるだけです」
S「じゃあどうした?Zさんの話にうんざりして
散歩しに行ったのか?」
F「いえ。まあ、あれですね。アキレスと亀が
どうしたとか説明を聞いているうちに、
自分自身がアキレスになったつもりで
このステーション内を亀を探して歩いてみよう
と思っただけです」
V「それで、亀たちは見つかったか?」
F「いいえ。亀の姿は見えませんでしたよ。
これっぽっちもね」
X「アキレスの気分で歩くって、大丈夫かよ?
本気で言ってるのか?」
F「まさか。わたしにも冗談くらい言わせて
下さい。途中でいなくなりすみませんでした。
それで、アキレスと亀はどうなりましたか?」
Y「Zさん、みんなが、投げやりな気持ちになって
来てます。冗談みたいな話はやめて、そろそろ
本題に入ってくれませんかね?」
Z「分かった。それでは、今から検証を始めよう。
みんな、よろしく頼む」