とある会話 29
N「冬眠カプセルが原因なんですか?」
Z「みんな、こんな話を子供のころ小学校で
先生から聞いたことはないか?」
O「小学校?何すか、それ」
Z「いや、別に小学校の授業でも学習参考書でも
かまわないんだが。誰かに聞いたことのある
古い時代の話なんだが」
P「それは、どんな話ですか?」
Z「足の速いアキレスという名の人間と
亀が競走する話だよ。ゼノンのパラドックスと
言われているみたいなんだが、わたしも
昔、ちらっと聞いただけの話であまり詳しくは
ないのだが」
R「ああ、あの話かあ!アキレスと亀てやつ
ですね?」
S「アキレスは、先を進んでいる亀に絶対に
追いつくことはできないという話ですかね?」
Z「そう、それだ。似たような例え話で、飛んで
いる矢は、非常に短い瞬間ごとに観測
すると、すべて止まっている。
だからこの矢は飛んでいる様に見えるが実は
時間も矢も止まっていて動かない。そんな
わけで、飛ぶ矢は、止まっているという
話があるらしい」
V「よく分からないな。さすがに
飛ぶ矢は動いているだろ?飛んでる矢が
途中で止まってるとか、ありえないよ」
X「アキレスと亀の話は聞いたことがあるけど、
飛ぶ矢が途中で止まることはないし、
そもそもああいった話は、哲学とかいう
言葉の中だけの作り話でしょ?
現実の世界では、人間は、亀に簡単に
追いつき、あっという間に追い越しますよ」
Y「Zさん、大丈夫ですか?アキレスとか亀とか
飛んでる矢は実は止まっているとか。
どうしちまったんですか?」
Z「・・・」