とある会話 19
Y「おお、戻って来たな。どうだった?
3人は、見つかったか?」
B「ごらんの通り、探しに行ったメンバーだけで
戻りました。つまり、収穫なし。どこにも
見あたりませんでした」
Z「そうか、カプセルルームには、いなかったか」
C「戻りました。ああ、疲れた。エクササイズ
ルームに、3人の姿は、全く、ありませんで
した」
D「トイレ、異常なしです」
E「倉庫には、人影は、なかったです」
F「通路1周しましたが、3人には遭遇しません
でした」
S「3人とも、見つからなかったのか。これは、
本当にまずいことになりましたね。
Zさん、緊急時に、地球と連絡を取ることは
できますか?このことを、大至急、地球に、
いや、母国に、報告しないとまずいんじゃ
ないですか?」
Z「うん。今まで、個人的な見解を控えて来たが
あえて言わせてもらおう。
これは、非常事態だと思う。現状、4人が
この宇宙ステーションから、いなくなって
しまった。原因は不明だ。さらに付け加える
と、地球側との連絡通信は、ステーションに
到着した当初から、全く持って機能している
とは言えない異常事態が発生しているとの、
解釈および判断が可能であると考えるに
至ったということだ」
S「それで、緊急時の地球への伝達方法は、
どうなっているんですか?今すぐ、
連絡しないとまずい状況だと思っています」
J「いや、そうじゃない!わたしは、Qさんが、
姿を消した時に、すぐに、地球へ!
母国へ!緊急報告を、乗組員が1名消えたと、
通信しなければいけなかったのだ!
そう思っていたんです!
あなた達は、誰ひとりとして、それを
試みようとはしなかった!わたしは、
もうたくさんなんだ!
わたしだけでも、地球へ、今すぐ帰還させて
下さい!」
Y「何を言うんだ、J!
君も、まっ先に、
提案すべき責任が、あったじゃないか!」