とある会話 12
A 「みなさん!それぞれのカプセルに
入る前に、聞いてもらえませんか?
お願いします!」
B「どうしたんだい?」
C「結局、Qさんは、見つからなかった。
疲れてるんだよ。300日後じゃまずいのか?」
D「今日は、クタクタだよ。休ませてよ」
E「いったい、どうした?話してみてよ」
F「そうだよ。何か、提案でもあるのかい?」
G「たいして何もしてないのに、すごく
疲れてるのだけど、聞いてあげよう」
A「今日は、地球との連絡通信の日でした。
スクリーンで、通信担当予定だった
Qさんがいなくなりました。みんなで
探しましたが、ステーション内にいません
でした」
H 「 それだけでも、じゅうぶん、やばいことに
なっているんだけど?」
I 「Qさん探すこと、ひとまず中断して、
その後、地球と通信したよね」
J 「お決まりのセリフしか、地球側からは
スクリーンに表示されなかった」
K 「同じ言葉 だけさ。ここに来てから、
毎回、同じあいさつしか送ってこない」
L「みんな、動揺したよなあ、ほんとに今日は。
Qさんは、いなくなり、地球との通信は、
相変わらず全く会話になっていないなんてさ」
M「結局、ステーション内を隅々まで探したど、
Qさんは、どこにもいなかった」
N「それで、今、ようやくカプセルルームに戻って
300日後に、備えて眠ろうってところだよ」
O 「手短に、頼むよ」
A 「 今日、どなたかが、ここは宇宙なのかと
怒ったと思うのですが」
H「あ、悪かった。たぶん、それ俺が言ったかも
しれない。地球側との通信が、ありえない
と思って、つい、宇宙なのかよと、皮肉って
しまった。気を悪くしたなら、すまない」
P「宇宙空間に、浮いていることは間違いないよ
。窓の外を見れば、簡単に理解できる。
暗黒が広がっている。だけど皮肉を言いたく
なる気持ちは、理解するよ」
A「すみません。そうゆうことではないのですが、
つまり、地球側の通信が不自然だったから
そのような気持ちになったのだと思うんです」
R「で、どうしたいんだい?」
S「通信装置に関しては、今日も、あれから
Uさんが調べてくれていたし、地球側との
次の通信日にも、Uさんが操作してくれるよ」
A「実は、そのスクリーン装置のことが気になって
いたんです。何か分かったことがあったら、
今、カプセルで冬眠する前に、知りたいと
思ったものでして」
T「Uさん、どうだ? 何か分かったかな?」
U「実は、気になったことがあって。どうした
ものか、戸惑っていたんですよ」
V「通信装置で、何か分かったの?」
W「ぜひ、教えてくれないか?」
X「地球側のセリフは、なぜ同じセリフだけが
繰り返されているの?」
Y「スクリーンに画像や音声が出ないのは
なぜなんだ?」
Z「よし、みんな、冬眠カプセルに入ろう!
次の起床日は、地球時間の300日後に
設定してある。Uさんからは、
その時 ゆっくり話を聞かせてもらおう!
今日は みんな疲れているはずだ。
宇宙空間は思いのほか、滞在するだけでも、
人間の体に疲労と言う、ダメージを
与えてくる。
Aさん、Uさん、みんな、今日は、
お疲れさん!
時間が来てるから、規則正しく、話は
このくらいにして、それぞれの
冬眠カプセルで、休もうじゃないか?」