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絶対零度
公園のベンチ、夕方、一人で座り夕日を眺める。
見知らぬ爺が隣に座った。
話がしたいと爺が言う。
構いませんよと私は返す。
そうですかそうですかと爺が笑う。
爺が息を吸い込んだ。
え、そんなに息を吸い込んで何を――
「布団が吹っ飛んだ!」「サメが覚めた!」
「一々いちじく!」「カメが噛めん!」
「神輿三越コマネチ!」「丸井のマークは丸いだけ!」
「犬がいぬ!」「猫が寝転んだ!」
「ネズミがチューチューチューベット!」
どうでしたかと爺が聞いてくる。
勢いがあとから効いてくると伝える。
ありがとうございましたと爺がご満悦な顔で立ち去って行く。
私は凍えて固まった。
ちょっといつも重たいのでたまには……
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