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狂乱
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有象無象の雑兵よ
死にたくなければそこをどけ
武器を手にした俺は止まらない
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ふさふさとした赤髪を揺らしながら
戦場を舞い踊る片目の男
振り切る刀に迷いはなく
通り過ぎた敵の首が次から次へと吹き飛んでいく
黒い外套のおかげか
大量の血しぶきを浴びてもあまり目立ってはいない
また一人 また一人
男が敵の横を通り過ぎていく
生きていたはずの兵士達の首が宙を舞う
男の近くに味方はおらず
男は敵兵に四方を囲まれた
男はただ不敵に笑う
敵兵がじりじりと間合いを詰める
敵兵による真上からの一太刀を刀で受け止め
右足で腹部に蹴りを入れる
左右からの腰付近を狙った突き刺しに対して
男は一歩前に踏み出した
背後に迫る二つの刺すような軌道を
刀を素早く持っていき滑らせ同士討ちを狙う
互いに差し合う敵が地面に伏せ
男は目の前で倒れ込んだ敵に刀を突き刺した
後ろに居た敵兵はその動きに置いて行かれ立ち尽くすのみ
赤髪の男は振り向きざまに口角を上げて言い放つ
「今度はお前だな」
