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跳ね返り
私は人が苦手なのです
誰かと話すと必ず自分を隠してしまう
表面上の自分を必死に操作して取り繕う
だから私は私が嫌いなのです
自分を隠して話した後
私の心は問いかける
「本当にそれでいいのか」と
良くない事は知っています
けれど、臆病な私はこれしか出来ない
私の魂は問いかける
「生きづらくはないのか」と
辛いに決まってるじゃないですか
けれど、不器用な私はこれしか出来ない
上辺だけを作り上げた飴細工のような顔
同じ行動を繰り返す工場の機械のような動作
怯えながらも笑うピエロのような表情
私はこれしか出来ないから
自分の嫌悪感に吐き気がする
自分の不器用さに吐き気がする
人の世で生きる為の術が私を苦しめる
関係を築くたびに稼働する臆病者の病
仮面、道化、ピエロ
そんな言葉じゃ生ぬるい
私は誰かの生き人形
そして、今日もまた、
不一致な心が叫び出す
不一致な魂が叫び出す
自分を吐けと叫び出す
自分を隠し続けた私の心の跳ね返り
自分を隠し続けた私の魂の跳ね返り
今日も私はこれを繰り返す
もう、ほんと、情けないくらいに臆病なのです。




