散歩
私の決めた散歩道
冷たい雨が降りしきる
決めた時間の散歩道
雨でも私は歩き続ける
雨も嫌いじゃないけれど
濡れる衣服の張り付きは
冷たく寂しさを思い出す
だから雨は好きでもない
雨 人通りの少ない街中を
全身を濡らしながら歩道を歩く
俯きながら歩く私は
多分 きっと無表情だ
雨 人通りも少ない街中で
ずぶ濡れの少女が佇んでいた
俯き悲しむ表情に
人の輝きは感じられない
私の決めた散歩道
少女は佇み泣いていた
足を止めて少女を見下ろし
「道をあけて」と呟いた
少女は無言で立ち尽くす
ずぶ濡れの私と少女
雨の滴る音が 地面を跳ねて響き渡る
ザアザア降りの雨の中
世界がゆっくり霞みだす
「家に帰りなさい」
私は少女に呟いた
少女は無言で立ち尽くす
「帰る家もないのかい」
私は少女に呟いた
少女はこくりと頷いた
「本当かい?」
私は少女に呟いた
少女はこくりと頷いた
少女の頭に手を置いて
優しく少女を撫でてみる
人肌の温もり 人の感触
私は人であることを思い出した
「当てはない それでも来るか」
私は少女に呟いた
少女はこくりと頷いた
私の決めた散歩道
冷たい雨が降りしきる
それでも私の手元には
少女の温もりが感じられる
止まない雨の中
私は少女と歩き出す
毎日更新がだんだん遅れてきた……危ない……。
お気軽に感想・お題をお待ちしています(_ _)




