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人が好き、だけど嫌い

「人は好き?」


 彼の問いかけに自分はいつも決まった台詞を返す。


「好きだけど、嫌い」


 彼は決まって微笑みながら尋ねてくる。


「なぜ、好きだけど嫌いなの?」


 笑顔の裏に隠れた本性が怖いから。

 とは言えない。だって、怖いから。


 一番見知った彼ですら、自分は恐怖の対象になる。


 無言を貫く自分に彼は笑う。


「まぁ、別にいいけどね」


 優しい笑みに心が抉られる。

 何が良いのか分からない。


「言葉にしなければ、誰にも何も伝わらない」


 彼は遠い目をして呟いた。

 青い空に消え入りそうな薄い雲が一つ、掴まれたかのように引きちぎられようとしている。


 自分は無言を貫いた。


 小さな公園のベンチ。三人掛けの椅子。両端に彼と自分。

 誰も居ない公園。

 晴天だが、気持ちは曇天。


「じゃ、また来るよ」

「分かった」


 彼は立ち上がり、自分は目を伏せてその場をやり過ごした。

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