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近道
決して届かぬ君の後ろを
届け届けと僕は走る
君は待ってはくれない
僕を置きざりにして君は先へ行く
あは あははは
やっぱりどうしたって君には敵わない
同じ踏み台にすら立たない
手を伸ばしたって
懸命に駆けたって
君にはちっとも追いつけない
君との距離は離れるばかり
でもさ
数年経ってようやく僕は気付いたんだ
「これでもいいんじゃないか」ってさ
君には敵わない
届かない
追いつけない
それで、立ち止まった僕は思ったんだ
「君の道に追いつけるわけが無いんだ」
ってさ
だから僕はずるをして
こっそり横道に逸れたんだ
そしたら君に追いついた
追いついた僕は君に笑顔で言ってやったんだ
「僕も自分の道を見つけたよ」
ってね
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