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畏怖

    真夜中の湿った地下通路


     片側二車線の道路下


   その真下を通過する為の通路



 

  降りてすぐの場所と中央に蛍光灯が一つ


    ――合計三つの蛍光灯――


   不自然に点滅する階段下の蛍光灯




     私はここが怖い……




   ――幽霊 化け物 怪人――


   居るはずもない空想上の恐怖が

      脳内を侵食する

 

      両肩を掴まれ

    脳を締め付けられる感覚


      震えあがる体は

     押さえつけられ収縮





   何故か私は階段を下りていく


  一歩

    また一歩

       そして一歩



  コンクリート


       少し高い段差




   湿気によって響かない靴音


  恐怖が身体を貫通して心臓を掴む

 

   そっと撫でられるような寒気



     額に汗

        心に焦燥



   階段を下りて通路へと目を向ける……



   目線の先――――通路の中央



   黒いスーツ ハット帽

   両手で杖を構えて制止

 

      体躯は老人

     背中の曲がった男

    帽子に隠れて見えない顔



   自身の唾を飲み込む音が

     響いて体内に流れ込む



  掴まれていた心の臓がふっと解放される



       寒気に悪寒

    あらゆる恐怖が襲い来る



 

 コツン コツン コツン コツン


 近付いてくる


 コツン  コツン  コツン


   コツン  コツン



  顔が見えないまま近付いてくる



    コツン――


  寒気で凍り付いた身体が動かない




    老人と向かい合わせ

     恐怖に震える



   俯く老人は片手でハットを掴む



   狐のお面が顔を覗かせた

 




    「ゴ機嫌ヨウ――」

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