表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/140

臆病風

 私は、私が愚かで脆く、弱い生き物であることを知っている。


 それは謙虚という柱ではない。


 醜態を晒すことに怯え、失敗に恐怖する。


 つまり、私は臆病者なのである。


 直そうと努力してみたが一向に直る気配はない。


 これが私なのだと受け入れるが、受け入れたところで社会に適応出来る訳もなく、ただひたすらに他人の表情に怯えてしまう。


 多分、この強固な殻は、他人からすれば卵の殻と同じく、簡単に砕けるものなのだろう。


 私は、私が愚かで脆く、弱いことを知っている。


 この薄い殻を壊すことさえ、他人に何か影響を与えてしまうのではないかと、私という存在が蔑まれる対象になるのではないかと、永遠と自問自答の畏怖を繰り返す。


 渡れる石橋でさえ、数年経ってようやく叩き、崩れ去るまで殴り続けてしまう。


 臆病風に曝され、心はどんどん縮小をしていく。


 私は、私が愚かで脆く、弱いことを知っている。


 いつか、私が弾けるような事ができたなら、その時は、屈託のない、人生で最高の顔で笑おう。

せめて、他人ともまともに会話を出来るようになりたい……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ