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讃美歌
天照神、地上に降り立ち手を上げる
手の中に輝く燦爛たる光は世界を優しく満たした
そこには善も悪もない
何の隔たりもなく、影をも貫いていく光
精神の浄化、魂の浄化――
穏やかな心に人々は目を瞑った
己の心に宿る悪に目を向けて
内に秘めた邪を照らしだす
脚光、浴光した邪は縮小を始める
何が正しいのか
何が正解なのか
何が良い行いなのか
人々は他者ではなく、自分に問いかけた
荒廃した世界、丘の上には神々しい光が一つだけ
影をも包んだ光は暖かく世界を覆っていく
屈折した光は地球全体を包んだ
人の心から、世界からも
闇は消え去った――
世界を覆っていた闇と共に消えたのは数多の命――
善者は精神で、偽善者は頭脳で戦った――
更地と化した世界 立ち尽くす人々――
零へと帰した世界 全てを失った人々――
物語は終わらない 世界は終わらない――
命、魂、精神、心が紡がれる
世界を次の舞台へと上げよう
生きて死してを繰り返し、産声を上げよう
生存に感謝を、生命に感謝を――生きる事に喜びを――
争いがないことが一番いいんですけどね……。




