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試み
私は、自分の物語によれば二十八歳の時に世界に絶望する。三十になった時にこの世を去ろうとする。
これが真実になるのか、それとも別の世界線を辿るのかは分からない。
これは未来への布石となるだろう。
二十二歳の時、私は三十歳で死ぬ主人公を描いた。年月日、曜日、適当に書いたはずのものは西暦と一致した。
これをこの場に残しておくことによって、私は本当に死ぬのか、それに近い何かが起きるのかを書き残すことができる。
予知夢を見る私の描いた物語がもし、空想の産物ではなく現実になるのなら、それはある意味、魔法と呼べるものになるのかもしれない。書いたものが手に入る世界……。
これは布石であり、試みである。
一年後と三年後に差し迫ってきているのだけど、私はどうすればいいんだろう……。




