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交換
この世界は生きにくい。
不平不満を口にしたわけじゃないんだ。
世界という事象に対しての結果だ。
この思考の道中は私にも理解出来ていない。
Aの事象に対して、
「何が起こるか」「その結果どうなるか」
という考えや考察が、通常ならば途中に思考へ挟まれるが――
この頭はその道中を省いてしまう。
Aから結果までが一気に生まれてしまう。
過程から結果を生み出せる。
現在から未来を生み出せる。
何が言いたいのかと問われると、これは非常に難しい。
思考という何も入っていない箱があるとしよう。
その中に正義を入れると悪が生まれる。
悪を入れると嘆きが生まれる。
嘆きは涙を、涙は怨恨を、怨恨は恐怖を、恐怖は力に、力は権力に、権力は無になった。
人間は生き残り、人は消える。
聖火で燃える純粋な魂は昇華する。
燃えない魂はこの世に留まり続けるだろう――――
交換は時として平等であり、不平等でもある……。




