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飽食

 食べても食べても満たされない胃袋


 ビルとビルの隙間の頭上では、一羽のカラスが過ぎ去った


 空は曇っていた


 今にも降り出しそうな、曇天で覆われた一線の空


 ビルによって狭められた視界は、どことなく居心地が悪かった


 その、体を抑え込まれるような感覚に全身が委縮する


 身も心も委縮する


 圧迫されるような壁の圧が、両手の羽ばたきを阻害する


 空は飛べないと告げられる



 幾ら腹を満たしても、心までは満たされない


 幾ら心を満たしても、腹の中は満たされない


 不完全な体、非効率な体に嫌気がする



 目の前に転がる食料は、到底、美味しいとは言えない


 けれど、食べなければ生きられない


 生きたければ食べなければならない




 生きたくないなら食べなければいい


 そう思って我慢したこともあった


 でも、空腹は食べろと告げる


 食べて生きろと訴える


 無意味な生存本能


 我慢できずに腹を満たす


 それでもやはり、


 心の中は満たされない



 この広く狭い世界で


 心を満たすにはどうすれば


 どう生きればいいのだろうか




 薄暗くなる世界


 重たい曇天から水が滴る


 雨宿りの場所を探さなければならない





 私は折れた翼を引きずって


 感覚の消えた右足を無視して


 路地の隅へと歩きだした

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